インディアン・ウェルズが始まる
その規模の大きさから、(4つのグランドスラムに次ぐ)第5のグランドスラムと呼ばれている、BNPパリバ・オープン (ATPマスターズ1000/WTAプレミア・マンダトリーイベント。通称:インディアン・ウェルズ)が3月6日からいよいよ始まります。
5番目のスラムの準備ができているのは誰?
↓去年(2018年度)のレビュー(男子)
昨年の優勝者は、デル・ポトロ。ダニエル太郎がジョコビッチを倒したことが評判になりました。
↓去年(2018年度)のレビュー(女子)
大坂なおみがブレークスルーしたトーナメントでもありました。
BNPパリバ・オープンの事実
・1974年にアリゾナ州で始まる。(1976年にカリフォルニア州に移動)
・トーナメント日程:2019年 3月6日~17日
・トーナメントオーナー:ラリー・エリソン
・トーナメントディレクター:トミー・ハース
・開催地:インディアンウェルズ・テニスガーデン (カリフォルニア州 インディアンウェルズ)
・賞金総額:USD $8,359,455 (優勝賞金:$1,354,010)
・プレーヤーの投票で決まる、最優秀マスターズトーナメントに5年連続で選ばれている。
・第1スタジアムは、世界に2番目で大きなテニス専用のスタジアムで、収容人数は16000人以上。2014年に完成した第2スタジアムの収容人数は約8000人。第2スタジアムでは、高級日本食レストランNobuで、食事を楽しみながらテニスを観戦できる。
・トーナメントディレクターのトミー・ハースは、2018年3月に現役引退した有名テニスプレーヤー。現役時代シングルス自己最高ランキング2位(2002年5月)までいき、またイケメンテニスプレーヤーとしても評判でした。2017年度からこのトーナメントのディレクターを務めています。ちなみに、トーナメントオーナー、ラリー・エリソンのヒッティング・パートナーを長年務めていた関係でこの職に就いたということです。
トーナメントオーナー ラリー・エリソン氏について
ラリー・エリソン氏は、ソフトウェア会社オラクルの創設者で、スポーツ愛好家。その中でも特にテニスは大好きで、ご自分でもプレーされます。フォーブス誌によると総資産が$64.2B(Bですよ。。。ビリオン)で、世界第5位の大富豪。
実は、このトーナメント、2009年に十分な利益が出ないということで、当時のオーナーから売りに出されました。中国や中東からオファーがきて、いよいよ、アメリカ西部最大のテニストーナメントがなくなってしまうという危機に直面します。そこに、現れたのが、ラリー・エリソン氏。100億ドルでトーナメントだけでなくインディアンウェルズ・テニスガーデンもそっくり買収し、さらに100億ドルを投じて、トーナメントをどんどん改善していきます。第2スタジアムの建設、選手への賞金の増加、すべてのコートでのホークアイの導入(ホークアイは高価であるため、他のトーナメントでは、全てのコートには導入されてない)など、訪れる人や選手にとって、どんどん魅力的なトーナメントにしていきました。
2011年のインタビューでラリー・エリソン氏はこう語っています。
「インディアン・ウェルズのトーナメントが売りに出ていると聞いて、これは、チャンスだと思ったんだ。このトーナメントは、我々が買えるなかでベストなトーナメントだと思ったから。だって、ウィンブルドンは買えないだろう。あれは、売りに出されることはないからね。」
「トーナメントを買収したことは、とても幸せなことだ。素晴らしい財産になる。なにより、私は、テニスが好きなんだ。週に5回、テニスをしてるんだよ。すごい昔に世界でトップ10までいったSandy Mayer とよく一緒にプレーする。彼は、まだまだいけるよ。」
「僕は、高級なボックス席でテニスを見ることはしないよ。僕にとって最高の席は、プレーヤーの真後ろの席。そこからはすべてが良く見えるからね。」
ラリー・エリソン、ジョン・マッケンロー、ビル・ゲイツ
2009年にこのトーナメントを買収したラリー・エリソン氏。当時、テニスマガジンは、彼を「アメリカテニスのホワイトナイト(救済者)」と呼び、有名なテニスコメンテーターであったバッド・コリンズは、彼のことを「テニスラケットを持ったサンタクロース」と呼びました。
彼がバックに居る限り、このトーナメントは繁栄をつづけることでしょう。
さあ、今年もこの季節がやってきました。アメリカ在住のテニスファンとしては、本当にワクワクする季節です。カリフォルニアの砂漠で今年はどんなドラマが展開されるか。本当に楽しみにしています。