オール・アバウト・テニス

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カレッジテニス オハイオ州立大学 vs. テキサス大学

最新のカレッジランキングで、テキサス大学の順位が上がった理由は、

 

"No. 4 Texas Men's Tennis Team takes down No. 1 Ohio State, 4-1"

 

3月14日に行われたオハイオ州立大学 vs. テキサス大学の試合で、ランキングNo.4のテキサス大学がNo.1のオハイオ州立大学に勝利するという番狂わせがあったから。テキサス大学と言えば、日本人のスチューデント・アスリート、伊藤雄哉選手が大活躍しています。そして、この試合でも、伊藤選手は大活躍でした。それでは、この試合をテキサス大学の視点から、振り返っていきましょう。

 

カレッジの試合は、まずはダブルスからです。D1(ルールはディビジョンによって異なります。)のダブルスはノーレット、ノーアド方式で1セット(6ゲーム)マッチ。このフォーマットで3試合ほど行います。3試合が同時にスタート。そして、この3試合の内、2試合(またはそれ以上)に勝った大学が、ダブルスポイントの1ポイント取得します。負けたほうは、0ポイント(ポイント無し)です。このようにダブルスは「勝者が全てを得る」方法で、1ポイントを争います。

 

伊藤選手とChih Chi Huang (テキサス大学)が勝ち、

 

Colin Markes とLeonardo Telles(テキサス大学)のペアも勝ち、

 

 ダブルスは2-1でテキサス大学の勝利が決定。この時点で、ポイントは、テキサス1、オハイオ0。

 

そして次は3セットマッチのシングルス。ノーレット、ノーアド方式は変わりません。シングルスは6試合行われます。ダブルス同様、6試合、全て同時にスタートします。ポイントは、ダブルスと異なり、1試合、1ポイントずつの計6ポイント。ダブルスポイントの1と合わせて合計7ポイント。そのため、計4ポイント取った時点で、そのチームの勝利が決定します。

 

 ↑ シングルスのラインナップ

 

まず、テキサスNo.2の伊藤選手が第一セットを6-0で取る。

そして、

 No.2の対決は、テキサスの伊藤選手が、サクッと勝ち、これでテキサス2-0

 

No.6もテキサスのBanzerが勝ち、これでテキサス3-0

 

No.5の対決は、オハイオが勝ち、これで、テキサス3-1

 

そして、

No.3 は、テキサスのLeonardo Tellesが勝ち、これでテキサス4-1。

ナショナルランキング4位のテキサス大学が1位のオハイオ州立大学に勝利しました。

 

試合のハイライト↓

 

とこんな感じでD1カレッジの試合は行われます。

ちなみに、ルール上では、「両方の監督が合意すれば」ということですが、通常、勝利が決まった時点で、終了していない試合はその時点で止めて、Unfinished (アンフィニッシュド)となります。

 

最終試合結果

No. 4 Texas 4, No. 1 Ohio State 1

Singles

1. #4 Christian Sigsgaard (UT) vs. #27 John McNally (OSU), 4-6, 7-5, 2-0, unfinished

2. #9 Yuya Ito (UT) def. #28 Kyle Seelig (OSU), 6-0, 6-3

3. Leonardo Telles (UT) def. #69 Martin Joyce (OSU), 3-6, 6-3, 6-3

4. #49 Harrison Scott (UT) vs. #81 Alex Kobelt (OSU), 7-6 (6), 6-6, unfinished

5. James Trotter (OSU) def. Colin Markes (UT), 6-2, 7-5

6Rodrigo Banzer (UT) def. Hunter Tubert (OSU), 7-6 (5), 6-2

 Doubles 

1. #24 Martin Joyce/Hunter Tubert (OSU) def. #13 Harrison Scott/Christian Sigsgaard (UT), 7-5

2. Leonardo Telles/Colin Markes (UT) def. Alex Kobelt/James Trotter (OSU), 7-6 (4)

3. Yuya Ito/Chih Chi Huang (UT) def. Kyle Seelig/John McNally (OSU), 6-3

 

この結果を踏まえて、19日に発表されたオラクル/ITAランキングでは、前回の4位から再び3位に浮上。

 

伊藤選手は現在シングルスランキングNo.9です。コンファレンスのPlayer of the Week(今週のベストプレーヤー)の一人にも選ばれました。

 

この試合について少し触れておきたいのは、オハイオ州立大学のNo.1、D1ナショナルシングルスランキングでダントツ1位の JJ Wolf が不在であったということ。この頃、彼は、インディアンウェルズに出場した後に参加したカナダのチャレンジャーのイベントでプレーしていました。もちろん、彼が居れば、また違う展開になっていたかもしれません。

それにしても、今回の勝利が、テキサス大学にとって Big Win であることに間違いはありません。

 

カレッジテニスのシーズンも後半に突入。これから、NCAAチャンピオンシップまで、一気に盛り上がりを見せるカレッジテニスから目が離せません。

 

*カレッジテニスのルールに興味がある方は、https://www.itatennis.com/ITA/Coaches/Rules.aspx(英語)のサイトのITAルールブックに詳しく載っています。