オール・アバウト・テニス

主に海外(特にアメリカ)で取り上げられているテニスに関する興味深いニュースをピックアップしてお届けします。

キリオスの噂のポットキャスト

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昨日の試合で、暴言を吐いたり、椅子を投げたり、と相変わらずのテニス界の問題児、ニック・キリオス。

しかし、ローマでのドラマは、これだけでは終わりません。ニューヨークタイムズのライター、Ben Rothenberg がホストを務める”No Challenges Remaining”というポットキャストにローマで出演した際のキリオスの発言が、今、大きな話題となっています。理由は、彼がこのインタビューの中で、特定のテニスプロプレーヤーに対して、かなりネガティブな発言をしたため。

今回は、今話題のキリオスのポッドキャストのインタビューを取り上げてみます。

 

まずは、彼の話題のポットキャストはここから↓

 

またはこちらからでも聞けます↓

https://nochallengesremaining.podbean.com

 

50分にも及ぶこのポットキャストの前半は、他愛もない話から始まり、主に自分のことについて話しています。

 

例えば、

 

バスケットボールのシューズをコートに履いて行くのは、昔からのやっているルーティーンだ、とか、

 

クレーコードは靴が汚くなるし、球速がスローでクリエイティブなプレーがしにくいから嫌い、とか、

 

アンダーアームサーブ(下から打つサーブ)の話とか、

 

ケルバーのツイートの話とか、

 

アカプルコでは、毎晩パーティーに行ったり、ジェットスキーをしたりして遊んでいたのに、それでも勝った、とか、

 

プレーヤー達はSNSでもっといろいろ発言して、新たなファンを増やすべきだ、とか、

 

チチパスと仲良くなって、ダブルスが組みたい、とか、

 

まず体が持たないと思うし、その上、テニスがそんなに好きじゃないから、長くはプレーしない、とか、

 

お金とか名声とかあまりどうでもよくて、家で、ローキーな(地味な)ことをしているほうが好きだ、とか、

 

バスケットボールとメディテーションは好きだけど、テニスに関しては(好きじゃないので)、横道にそれないで45分ストレートに練習できたらラッキーだ、とか、

 

グランドスラムで勝つとかでは幸せを感じない、とか、

 

WTAの女子プレーヤーと練習するのが好きだ、とか。

 

そんな感じの内容です。

 

しかし、

 

ポットキャストの後半、残り16分ぐらいのところから、彼が、他のATPプレーヤーについて話し出します。その内容がちょっと衝撃的であったのです。そして、これが、また今回、大きく取り上げられてしまいました。

 

この部分では、インタビュアーのBen Rothenbergがキリオスに、ATPプロの名前をあげ、その人たちについて、キリオスが正直な感想を述べています。以下その主な内容ですが、長いので、かなり省いたり、要約したりしているのであしからず。

 

①コッキナキス

彼は俺にとって兄弟だよ。彼のキャリアがこんな風になってしまってすごく残念だ。ジュニアのころから一緒にプレーしてきた。彼は、本当に上手いのに、怪我ばかり。フォアハンドもサーブもすごくいい。フェデラーにマイアミで勝ったときに見ただろう? 彼が健康だったら、すごいことになってたのに。

 

②ベルダスコ

彼のことを考えると俺の頭がおかしくなるよ。やつのことは話したくもない。本当にイライラする。彼の名前を聞いただけで、怒りがこみあげてくるよ。今まで会った人のなかで、最も傲慢な奴。

彼は、 ハローとも言わないし、自分のことをすごく上手いと思っているんだ。神様からのギフトだって。バックハンドは、大したことないのに。ただネットを超えるように打っているだけ。

謙虚になるとか、物事を広い視点から見るとか、そうことが全く出来ないんだよ。

俺は、ここだ! 俺はすごくクールだ! 俺は素晴らしいんだ! 俺は、ボールをネットの向こう側に打つことができるんだぞ、というような感じさ。

俺のためにこうしろ、ああしろ、お前になんかにはハローとも言わないよ。俺は、重要な人間なんだ。彼はそんな奴なんだよ。彼のこと話しているだけで、俺がだんだん腹が立ってきたのがわかるだろ。

彼には、本当にムカつく。

 

③アンディ・マリー

彼のことを考えると悲しいよ。

彼のジョコビッチ戦の対戦成績は、恥ずかしいほどひどいって、彼に直接言ったことがある。ノバクより全然うまいのに。ノバクともアンディとも、プレーしてことがあるけど、アンディ・マリーのほうが、リターンがいいし、彼と対戦するほうがタフだと感じた。彼のほうが、サーブもいいと思う。彼は本当に上手いからもっとグランドスラムで勝てたはずなのに、って言ったこともある。

マリーはね、すべての条件を満たすプレーヤーだよ。もう、彼が周りにいないことがすごく悲しい。ロッカールームの、彼は最高だよ。いつも冗談を言いあって。彼はとっても人気者だった。だけど、彼は、他人について何か意見がある時は、自分の意見をはっきり言うことを恐れない。彼のそうところが好きだ。彼は、本当に楽しい人で、テニス界はいい人を失ってしまったよ。

あと、俺が彼のコーチだったら彼はもっとグランドスラムに勝ててたよ。

もし彼が俺のコーチになったら。。。それはちょっと変な感じだ。

 

フェデラー

彼の才能は、桁外れだよ。

全豪オープンで彼とフリッツの試合をちょっとだけ、解説したんだけど、彼の動きとか、プレパレーション (ボールを打つ前の準備、セットアップ)とか、ゲームの読み方は、誰も真似できないよ。

彼の才能は本当にすごくて、多くの人が彼のプレーをモデルにしてるんだ。チチパスとか、ディミトロフとか、彼を手本にしてるだろう? テニスをしている人ならみんな、彼のようにプレーしたいと思っていると思う。

俺でさえ、彼のスライスやサーブをコピーしている。みんな、少しでも彼のようなプレーがしたいんだよ。

 

ナダル

(彼の話をするのは)ちょっと危険だよ。

彼は、俺とは正反対の人間なんだ。本当に真逆だよ。彼は、自分が負けると、すぐイライラして辛辣になる。

彼が’勝ったときは、いいんだよ。悪いことは何も言わないで、「彼はいいプレーをした」とか、「彼は、素晴らしいプレーヤーだ」とか言って、対戦相手を褒める。でも、彼が俺に負けた途端に、俺が、彼や、ファンや、ゲームをリスペクトしてないと言い出した。(今年のアカプルコでのメキシコオープンのことを言っている。)俺としては、何を言ってるんだと思ったよ。前から、こんな風にプレーして、以前にもナダルに勝ったし、なにも変わっていないのに。

(そんな風だから)良くは見えないよ。そして、アンクルトニーまで出てきて、「キリオスは教育が足りない」とか言うし。12年も学校に行ったんだから、おまえ、馬鹿じゃないないのと思った。俺は、十分に教育を受けてきたよ。俺があなたの家族をまた、破ったのが面白くないというのは分かるけどね。とにかく俺はナダルとは違うんだよ。

 

ジョコビッチ

彼は、人に好かれたいと病的なほど願っている。フェデラーのようになりたいんだよ。彼のそんなところが俺は耐えられない。

もうどうでもいいや、ここまできたら本音をいうよ。彼は、本当に人に好かれたいとすごく強く思っていて、俺はそれがすごく嫌なんだ。

あと、彼が試合に勝った後にやるセレブレーションの仕方は、気持ちが悪い。本当に、ゾッとするよ。

でも、彼は素晴らしいプレーヤーなのは確かだよ。これまでで最も素晴らしいプレーヤーの一人だ。正直に話すけど、彼はフェデラーを抜いて、最多のグランドスラムタイトルを取ると俺は思っているんだ。

でもね、ジョコビッチは、暑すぎると理由で、全豪オープンを棄権するような奴だよ。彼がグランドスラムを何個取ろうと、俺の中では、彼は絶対に「史上最高のプレーヤー」にはならない。

だって、俺は、彼と2度プレーをしたことがあるけど、悪いけど、俺に勝てないような人は、GOATじゃないよ。

俺なんて、毎日、たいして、頑張ってない。ジョコビッチの努力に比べたら俺の努力は0なのに(それでも彼は僕に負けた)。

ジョコビッチも俺をイライラさえる人物だよ。彼は、いつも、他人が聞きたいようなことばかり言って、自分の本音を言わない。

とにかく、あのセレブレーションの仕方は耐えられない、こんど、俺がまた彼と対戦して勝つことがあったら、彼のセレブレーションを真似してみようと思っている。彼の目の前でね。

 

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⑦2015年のモントリオールキリオスが暴言を吐いたワウリンカとの問題ついて

あの発言に至る前にいろいろあったんだけど。

でもあれは、つい口から出てきたことなんだ。そして、あんな大騒ぎになるまで、大したことじゃないと思っていた。

正直、今でもすごく面白いことだと思っているけど、まあ、あの頃は、俺もすごく若かったし、未熟だったんだ。今なら、もうあんなことはしないよ。いまでも、すごい笑えることだと思うけど、でも、もうやらない。

俺のしたことが、行き過ぎだとは思ってない。バスケットボールでは、こんなトラッシュ・トーク はよくあることで問題にならない。ここで、友達を作ろうとしているわけじゃないし、どうせ、コートの外でも友達じゃないんだから、もし、相手をイライラさせることができるんなら、俺はすぐやるよ。

 

以上、長いのでかなりかいつまんで書き出しました。

 

このポットキャストを聞いて思ったことは、キリオスは、他の多くのプロプレーヤー達とは、立っている場所が違って、見ている風景も異なって、目指している場所も違うということ。そんな大きな違いを埋めるのは難しいでしょう。テニスを真剣に、こよなく愛してる人達がマジョリティーである世界にいることが、彼にはとても居心地が悪いんだと思います。テニスというスポーツやテニスの取り巻くカルチャーがつくづく合わないんでしょうね。世のなかには、いろいろな人がいて、キリオスみたいな人は、それはそれで面白いと思うのですが、だた、このインタビュー自体は私は聞いていてあんまりいい気分がしませんでした。

 

ということで、キリオスの今後は!? チチパスとの念願のダブルスなるか? 相変わらず全く予想がつきません!!!