オール・アバウト・テニス

主に海外(特にアメリカ)で取り上げられているテニスに関する興味深いニュースをピックアップしてお届けします。

チチパスの旅は続く

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上海マスターズでは、準々決勝でジョコビッチを破り、絶好調のように見えたチチパス。

 

 

今年の8月に21歳になったばかりの彼は、21歳になる前に、ジョコビッチナダルフェデラーのビッグ3を全て破った、唯一の選手です。

 

 そして

 

今年のATPツアーファイナルにも初めて出場権を得ました。

 

そんなわけ、いろいろと順調なチチパスですが、そんな彼の前に立ちはばかる大きな壁が。。。

 

 

 天敵、メドベージェフ。

 

上海マスターズの準決勝では、またしてもメドベージェフに負けてしまいます。

これで、メドベージェフ相手に5連敗。。。。

 

 

https://www.atptour.com/en/players/fedex-head-2-head/daniil-medvedev-vs-stefanos-tsitsipas/mm58/te51

 

 

ただ、7-6 (5) 7-5という接戦だったからか、そんなに悲壮感は漂ってないようでした。

 

"I don't know if I'm going to be able to beat him the next time or the time after that one, but I know there's going to be a time where I'm going to find opportunities and beat him. I don't know when it's going to come.

Probably two, three, four, five, six years' time, I don't know, but it's going to come at some point."

 

「彼を次の対戦、または、その次の対戦で、破ることができるか分からないけど、いつかチャンスを見つけて、勝つことが出来ると思う。ただ、いつになるか分からないだけ。2,3,4,5,6年.かかるかもしれない。でもいつかその時がくるよ」

とチチパス。

 

 

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というわけで、彼のテニスジャーニーは、まだまだ、続いていくのです!

 

 

 

 

 

上海マスターズ、メドベージェフVS.チチパス

www.youtube.com

 

 

上海マスターズ、ジョコビッチVS.チチパス

www.youtube.com

東京オリンピックは大丈夫か? アメリカでも心配される、東京オリンピックの灼熱度。

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The 1964 Tokyo Olympics began under cooler skies in October. Credit Associated Press


 

(以下の記事、アカウントがないと制限がかかって見れないかもしれません。日本から見る場合どのような状況か分かりませんが、料金がかかる場合もあるかもしれませんので注意してください。)

 

以下は、NYタイムズの記事。

www.nytimes.com

 

東京はこれまでで最も暑いオリンピックのために備えている

”1964年の東京オリンピックが10月に行われたのには、理由がある。あの時代も暑かったが、今はもっと暑い”

 

内容としては、

・来年の東京オリンピックは7月24日から8月9日までの日程で開催される。

・東京の夏は、湿度の高い暑さで知られ、それが原因で、過去2年間、7月の下旬から8月の初めにかけて亡くなった人は、東京での150人以上を含む、全国で1000人以上に上った。

 

・東京でのオリンピックをこの期間にすることが重要な理由は、アメリカのTV局の都合。

・公には、 I.O.C.がオリンピックのスケジュールを決めるが、 I.O.C.の総収入の4分の3近くは、放送権からの収入。そのうちの半分は、アメリカのTV局NBCからの収入なので、アメリカのスポーツカレンダーがオリンピックの日程に大きな影響を与える。

アメリカTV局の9月と10月は、野球とアメフトが独占状態。一方で7月と8月は、比較的、余裕のあるスケジュール。

 

・最後にオリンピックが7月、8月以外に開催されたのは、9月後半に開催された2000年のシドニーオリンピックだったが、シドニーオリンピックの視聴率はアメリカで、ここ数十年間で最低だった。

・以来、オリンピックコミッティーは、候補の都市に、 “exceptional circumstances(特別な状況)”を除いては、夏のオリンピックは、7月15日から8月31日の間に開催すべきであることを明言している。

・表向きには、I.O.C.は、他のスポーツイベントとのスケジュールが被るのを防ぐためとしているが、TV局の力でオリンピックの日程が決められることは周知の事実。

・東京と同じく、2020年のオリンピックの候補地であった、ドーハは、他の条件を高く満たしていたが、10月に開催したいと提案したことで、候補地から外れた。ドーハ側は(外された理由は)アメリカのTV局のせいだとした。

 

・一方東京は、オリンピックコミッティーの希望期間内の日程を提示して、開催を勝ち取った。しかし、その中で、東京の夏の暑さについての懸念を「控えめに」扱った。

・提案書には「穏やかな暑さと晴れの日が多く、この期間は、アスリートが、彼らのベストパフォーマンスをすることができる理想的な気候」と書かれている。

 ・オリンピックコミッティーは、「提案された開催期間の気象上のコンディションは、妥当だ」という結論に達した。

 

“With many days of mild and sunny weather, this period provides an ideal climate for athletes to perform at their best,” the proposal read.

The committee concluded: “Meteorological conditions during the proposed Games-time would be reasonable.

 

・日本の夏については、熱いサウナの中にいるようだという、日本在住のリポーターの言葉を紹介。

・東京は来年のオリンピックのための暑さ対策のためにいろいろやる予定で、そのためにお金も多くつぎ込んでいる。

 

・選手だけでなく、観客やボランティアの人達の命も心配。

 

というような感じで、暑さが厳しくなると予想される東京オリンピックを心配しているというような記事となっています。

 

 

目新しい内容ではないものの、読んで、改めて、いろいろと醜いな~と感じました。オリンピックコミッティーも、NBCも。そして、そのあと、東京の提案書の言葉を見て気が抜けた。東京の7月、8月の天気はマイルドではないでしょう....

 

4年に1回のオリンピックを目標にして、トレーニングをしてきたアスリート達のベストパフォーマンスを引き出せるように、出来る限り理想的なコンディションでプレーさせてあげるのが、運営側の役目のはずが(理想的には).....

 

もういい年なので、物事には、こういう大人の事情(お金)が大きく関わってしまうことは、よく分かっているのですが、それにしても、悲しくなるオリンピックの裏事情です。

 

もう決まったからには、みんな、与えられた状況下で、やるしかない。とにかく、史上稀に見る、冷夏などになって、選手を初め関係者すべてのみなさんが、生命の危険にさらされることのないように祈るばかりです。

 

 

 

 

あなたは誰のファン?

 

ファンのみなさん、あなたのお気に入りは誰?

 

2019年のATPアワードでのファンフェバリット(賞)のために投票しよう、ということですね。締め切りは11月1日です!

 

こちらこら投票できます↓

www.atptour.com

 

錦織選手は、何位になるかな~。

 

 

 

 

 

 

爆笑! フェデラーとナダルとチチパスと

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今更ながら、レーバーカップの話で恐縮なのですが、フェデラーが’とても楽しそうなので。

下の場面は、ナダルとチチパスが今年のレーバーカップでダブルスペアとして戦ったときの一場面。チェンジ・オーバーで...

 

 

フェデラーナダルがなにやらコソコソと....

フェデラー:「聞いてみてよ」

ナダル:「ア~、ステファノス。(笑いをこらえながら)指のシグナルはもうちょっとクリアにしてくれないかな」(爆笑)

チチパス:「?? 彼らが見てるから...」

ナダル:「君がどこに行こうとしてるのか分からないんだよ」

フェデラー:「君のシグナルは?」

チチパス:「僕はこうしてる👊けど」   

ナダル:「こうすると👊...」

 チチパス:「ステイだよね」

ナダル:「その場所から動かないこと。通常の場所にとどまる。そして、指をみたら(どの指でも)クロスに行け(ポーチしろ)!」

 

解説:彼(チチパス)は、いったいどんなサインをしてたんだ?

 

フェデラーが特に楽しそうなのが印象的な、レーバーカップの一コマでした。

 

 

 ちなみに、ハンドシグナルのおさらい↓

all-about-tennis.hatenadiary.jp

チリッチ選手、おめでとう。

先日も楽天オープンで来日されたばかりのマリン・チリッチ選手。

毎年のように、楽天オープンに出場されていますし、全米オープンの決勝戦で錦織選手と対戦したりなんかもしたので、日本でも、知名度があるのではないかと思っているのですが、どうなのでしょうか?

そんなチリッチ選手、残念ながら、今年の楽天オープンでは、2回戦で、そして、上海マスターズでも、1回戦で敗退してしまい、アジアンスイング大苦戦中です。

しかし、そんなチリッチ選手にとてもハッピーなニュースが...

 

”チーム・チリッチが増えた!”

 

昨年、ご結婚されたチリッチご夫妻に第2世が誕生する、という、とてもおめでたいニュースをツイッターでシェアされていました。

 

 ちなみに長く付き合ってきた奥様とは、昨年の4月にご結婚されたということです。

 

詳しくは↓

baseline.tennis.com

 

9月の終わりに31歳になったばかりの、とってもお幸せそうなチリッチ選手。残りのテニスシーズンも頑張ってください!

大坂選手、アジアンスイングで2個目のタイトル!

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大坂なおみが、プレミア・マンダトリーのチャイナ・オープンで世界ランキング1位のアシュリー・バーティを下して、優勝した。これで、全米オープンでベンチッチに敗れて以来10連勝。世界ランキング3位に返り咲いた。クリス・エバートは、「なおみは、再び、ベストテニスをしているようだ」と僕に言った。

 

3-6、6-3、6-2で逆転勝ち!

 

試合後のプレス

 

ファンへのメッセージ

 

ハイライト

www.youtube.com

 

プレッシャーから少し開放されて、のびのびとプレーできるようになったのでしょうか? 好調でなによりです!!!

怪我のリスクを減らす。アクティブ・レストの勧め。

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"ジェームズ・アンドリュー 医師が、若いアスリートと親にアドバイス:1 ハイスクールのシニア(高校3年生)になるまで、一つのスポーツに絞るな。2 毎年、一年の内、2ヵ月は休め。"

 

ジェームズ・アンドリュー医師は、アメリカの超有名な整形外科医。肩、肘、膝など関節の専門医で、多くのトッププロアスリート達が、怪我の治療のために彼のもとを訪れています。

 

スポーツが原因で起こる怪我を多く治療してきた、アンドリュー 医師のアドバイスには、やはり重みがありますよね。

 

さて、アンドリュー医師の年に2ヵ月休めという言葉に、あなたは、テニスでは、一年中を通して試合があるから、そんなに休むのは無理だ、と思うかもしれません。実際、アメリカのUSTAのジュニアトーナメントスケジュールを見てみると、夏と12月に大きな大会が多いものの、一年を通して、レベル1(最高レベル)の試合は組まれています。そんななか、ジュニアアスリートたちの体の負担をできるだけ少なくしながら、大事な試合で最高のパフォーマンスができるように持って行くトレーニングの仕方のカギは、"periodization(ピリオダイゼーション)" と ”アクティブレスト”のコンセプトにあります。

 

”Periodization”は日本語では、期分けとか時代区分と訳せますが、このコンセプトを使った、ピリオダイゼーション・トレーニングでは、年に数回ほど、最高のパフォーマンスをしたい時期を決め、そこがピーク時になるようなトレーニング・プログラムを組んで実行します。一年間を通して同じトレーニングをしているわけではなく、ピーク時が最高の身体コンディションになるように、トレーニングの内容を時期によって変えながらトレーニングしていきます。(具体的にはどのようなトレーニングかということはここでは長くなるので省きます。)そして、ここで怪我のリスクを減らすために重要ポイントとなるのが、そのピークに持って行ったトレーニングの後につづく、「アクティブレスト」の期間。

 

「アクティブレスト」というのは、 “Involves performing light exercises that stimulate the recovery process without imposing undue stress on body parts.” ということですが ようは、体に過度のストレスをかけないような、軽い運動をする期間、ということです。軽い運動は、なんでもいいのですが、スイミングとか、ヨガとか、サイクリングとか、ハイキングなどのスポーツを、体に負担を掛けないすぎない程度に行うことが重要です。そしてさらに重要なのは、この間テニスは全くしないで、普段酷使している体の部分を休ませるということです。

 

例えば、アメリカのUSTAジュニアトーナメントのスケジュールで考えると、3月のイースターボウル、8月のハードコート、12月のオレンジボウル、の大会に照準を合わせて、年に3回ほどピークになるようなトレーニングプログラムを組むようにしたとします。

「アクティブレスト」は、ピークになるように調整した大きな大会終了直後に2週間程度取るべきということなので、このようにピーク時が年3回ある場合は、このアクティブレストの期間だけで、一年間で、6週間(2週間×3回)のまとまった休みを取ることになるわけです。その他、小さい大会後の短めの休息期間を含めれば、アンドリュー医師が推奨する年に2ヵ月休むというのは、実行できるわけです。

 

ジュニアテニスには、特にオフシーズンというのがないので、まとまった休みがとりずらいと考えている方が多いかもしれまんが、それならば、自分で決めて休むしかありません。将来プロになりたいと考えて、普段から練習量が多い本気のジュニアアスリートこそ、この「アクティブレスト」の期間をトレーニングプログラムに取り入れて、怪我のリスクの少ないテニスキャリアを送ってほしいものです。