オール・アバウト・テニス

主に海外(特にアメリカ)で取り上げられているテニスに関する興味深いニュースをピックアップしてお届けします。

大坂なおみのリターン

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世界ランク1位の大坂なおみ選手が、今週から始まったnature valley classic(バーミンガム・クラシック)でプレーします。

 

大坂なおみ選手、ファンへのメッセージ

 

世界ランク1位を守れるか。

 

この大会は、ウィンブルドンの前哨戦で、世界ランク1位の大坂を始め、2位のアシュリー・バーティ、3位のカロリナ・プリスコバなどトッププレーヤーが参加しています。そのため、大坂が世界ランク1位を守れるかどうかに注目が集まっています。

 

大坂の一回戦は、今季調子のいい世界33位のマリア・サカーリ。2人の過去対戦成績は、1勝1敗で、どちらも2018年、ハードコートでの対戦でした。

 

 Day1 フォト

 

Day2 フォト

 

大坂なおみ選手の一回戦は、明日6月18日(火曜日)に行われます。

 

トーナメントインフォメーション

 

 
LEVEL: 
Premier
CITY: 
BIRMINGHAM
COUNTRY: 
GREAT BRITAIN
TOTAL FINANCIAL COMMITMENT: 
$1,006,263
DATE: 
Jun 17~
Jun 23, 2019
Grass
SINGLES DRAW SIZE: 
32
DOUBLES DRAW SIZE: 
16
 
 
トーナメントウェブサイト

 

やっぱりテニスは厳しいスポーツ

昨日のブログに書いたことに関連したタイムリーなポストを発見。

カナダ出身のテニスプレーヤー、バセク・ポシュピシルのポストです。

それぞれのスポーツで51位から100位にランクするアスリート達の2018年度の給料・賞金の平均。

NFL(アメフト): $13,105,910
MLB(野球): $13,096,891
NBA(バスケットボール): $13,001,738
NHL(アイスホッケー): $6,132,833
PGA(ゴルフ): $1,654,159
ATP(テニス): $583,235

全米オープンでの総収入の内、男子の賞金は7%(女子と合わせて14%)を占める。

その他のスポーツと比べると著しく低いナンバー。

 

さらに

テニスプレーヤーにかかる経費は、年間25週から35週に渡る、世界をまたにかける遠征費用などを含め、とても高額になる。チームスポーツの選手は、このようなコストはほとんど全てチームよってカバーされている。

 

チームスポーツと個人スポーツのテニスを比べるのは、根本的に異なる部分があるので、少し難しいかもしれませんが、ここで注目したいのは、やはり個人スポーツであるゴルフ。テニスよりゴルフのほうがやっぱり給料が高く、年金制度とかそういうシステムも整っています。

 

この2017年のCNNの記事では、ゴルフとテニスを比べ、男子ならゴルフでプロになったほうが稼げるということで、プロになるならテニスよりゴルフを勧めています。(女子はテニスのほうが稼げる。)

www.cnn.com

要点は

・男子ではテニスよりゴルフのほうが稼げる。

・女子ではテニスのほうがゴルフより稼げる。→それでも、トラベルやコーチなどの費用がかかるのでやっぱりタフなスポーツ。

・ゴルフ選手のほうが選手生命が長い。→長く稼げる。

・なので、お勧めはプロテニスよりプロゴルフ。

 

なんだか、知れば知る程、プロテニスプレーヤーの厳しい現状に失望してしまいます。みんな、この問題には気が付いていて、何とかしないと、変えないと思っているようですが、一度ついてしまった体制を変えるのは容易ではないでしょう。誰かが得をすれば、誰かがその分損する。そういうものですから。それにしても、プロテニスは、プレーヤーズファーストではなさすぎます。これじゃ、いくらテニスが好きでも、将来プロになりたいとはなかなか思えないでしょうね。

ジュニアがもっと夢見れるようは、いつか、そんなシステムになるように、プロテニス界に改革が迫られています。

 

Happy father's day!

プロテニスプレーヤー/父親

(ズべレフの場合は、コーチ/父親)

 

 

Behind every great daughter/son is a truly amazing father.

(全ての素晴らしい娘や息子の後ろには、素晴らしい父親が存在する。)

Happy father's day!

3歳の時のナダル

”この可愛い子、後でローランギャロスで12個のタイトルを取るかもしれない気がする。。。分からないけど。”

ラファエル・ナダルが3歳の時 😍

 

ナダルを抱っこしているのは叔父さんで元プロサッカー選手のミゲル・アンヘルナダルRCDマヨルカの試合後のインタビューかな?

ちょっと不安そうな3歳のナダル。やっぱり面影はありますね。30年後にこんなすごいことになっているなんで、このころはまだ誰も想像してなかったでしょう。

 

八村塁の紹介ビデオ

6月20日に開催されるNBAドラフトで、注目を集めるゴンザガ大学の八村塁。ボストン、セルティックスが彼を指名する有力候補と考えられているようですが、どうなることか。今回は、セルティックスのファン向けに作られた、八村塁を紹介するビデオを紹介します。

注目すべきプレーヤー:八村塁

・オールアメリカン(カレッジプレーヤーの中でベスト5に選ばれた。) 

・Julius Erving Small Forward of the Year Award (カレッジでトップのスモールフォワード送られる賞)を受賞。

・昨年、主力選手に成長した選手。

強み

・バックボードに近づけるような破壊力。ドリブルから、リムに到達できるような得点力。

課題

・もっとスリーポイントシュートを打てるようになること。

・ディフェンス力の向上。

彼の評価は上がってきているので、セルティックスが1巡目14位で指名する前に、他のチームに指名される可能性もあるが、彼がそれまで残っていて、もしボストンが指名したなら、彼は、即戦力としてチームにすぐに溶け込むことができるだろう。

 

NBAドラフトはもうすぐです。日本からアメリカから八村塁に熱い視線が注がれています。

 

 

 

テニスは稼げるスポーツなのか?

毎年6月に発表される、フォーブス誌の「世界で最も稼ぐスポーツ選手」ランキング↓

メッシ、世界で最も稼ぐスポーツ選手に 年収138億円 | Forbes JAPAN(フォーブス ジャパン)

 

今年はメッシが一位に輝きました。

このランキングの基準となる各選手の収入の決め方は、フォーブス誌によると以下の通りです。

”フォーブスが算出した各選手の収入には、2018年6月1日~19年6月1日に得た賞金や給与、ボーナスが含まれる。スポンサー収入(エンドースメント)は、同期間の広告契約料や出演料、ライセンス使用料を推計した。”

と言うことで、英語版のランキングを見ると分かりやすいのですが、サラリー(給与)/賞金+エンドースメントの合計で順位が決まっています。

 

英語版のランキング↓

The World's Highest-Paid Athletes List

 

トップ3は、サッカー選手。テニスに関して言えば、5人がランクイン。フェデラーが5位、ジョコビッチが17位タイ、錦織が35位、ナダルが37位、そして、セリーナ・ウィリアムズが63位で女子アスリートととして唯一のランキング入りしています。

テニスの100人中5人という数はやはり少ない気がしますよね。ちなみにスポーツ別でみると、バスケットボール(NBAプレーヤー)が35人ほどランク入りしていて、最多だそうです。

 

さて、このランク入りしたテニスの5人の稼ぎ方。ちょっと他のスポーツとは異なる特徴があります。それは、彼らのエンドースメントからの稼ぎの比率が、他のスポーツと比べて、とても大きい傾向にあるということです。エンドースメントからの稼ぎだけをみてみると、順位は、

1. フェデラー (86M)
9. 錦織(33M)
11. ジョコビッチ(30M)
14. ナダル(26M)
15. S. ウィリアムズ(23M)

 

となり、なんとフェデラーが全体で堂々の1位で、錦織は9位でトップ10入り。テニスの5人は、みんなトップ15以内にランクしています。

 

↓下の図は、スポーツ別の稼ぎの合計と、その中でのサラリーとエンドースメントとの比率を表しています。図の左側から、バスケットボール、フットボール(アメフト)、サッカー、野球、テニスの順になっています。

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(左から)バスケットボール、フットボール(アメフト)、サッカー、野球、テニス

 

例えば、バスケットボールは、ランクインした35人の稼ぎの合計が、$1.3ビリオンで、そのうち$972ミリオンがサラリーからの稼ぎ、残りの$321ミリオンがエンドースメントからの収入となっています。それに比べて、テニスは、ランク入りした5人の収入の合計が、$246ミリオンで、そのうち賞金が、$46ミリオンで、エンドースメントからの収入が$200ミリオンとなっています。テニスプレーヤーは、エンドースメントで賞金の4倍以上を稼いでいるということです。この結果は、テニスがいかに国際的に人気度の高いスポーツであるかを証明しています。それに比べて、野球などは、アメリカや日本など一部のエリアで人気が高いものの、サッカーやテニスと比べるとやはり国際的なアピールは少なくなります。やはりグローバルなアピールで、高額なエンドースメントを狙うにはサッカーかテニスかというところでしょうか。このため、テニスは、基本のサラリー(賞金)は他のスポーツと比べてあまり良くないけど、エンドースメントで補うことが出来るのです。
そういうわけで、錦織選手は、日本のスーパースターとして、エンドースメントからの収入がすごく、フォーブス誌によると、ナダルより昨年度の稼ぎが多かったということになりました。

ただ、このような独特な稼ぎ方、裏を返せば、トッププレーヤー以外のテニス選手の経済的な不遇さが垣間見れますよね。トップ以外の選手は、基本となる賞金の額も少ないし、エンドースメントからの収入なんて微々たるものでしょう。その上、その中から、世界中を飛び回る費用、コーチへの報酬など、経費を全て自分でまかなわないといけない。そりゃあ、ちょっと考えただけでも、多くのテニスプレーヤーが、経済的に実に厳しい環境に置かれていることが想像できます。

 

ところで、このトップ100リストを見て改めて思うのは、アメリカのプロスポーツシステムの充実度。バスケ、フットボール、野球、など、総体的に給料がとてもいいこと。福利厚生もありますし、トッププレーヤーでなくても、チームに雇ってもらえさえすれば、その間はわりと安定した生活ができるでしょう。(まあ、雇ってもらうこと自体が厳しいですが。)

 

いずれにせよ、やはりテニスの100人中5人という数は少ないと思います。ランク入りしているのは、いずれもテニス界のスーパースターのみ。やはり他のスポーツと比べても、または、テニス界の内部においても、とにかく格差が激しく、一般的にはお金を稼ぐのが厳しいプロスポーツの一つであることは間違いないでしょう。(特に男子の稼げるスポーツとしては。あまり選択肢のない女子場合、稼げるスポーツとしてテニスは素晴らしい選択ですよね。)

 

さて、今日は、フォーブス誌の「世界で最も稼ぐスポーツ選手」ランキングからテニスに焦点を当てて取り上げてみました。どんなスポーツでも、これだけ稼げるのは選ばれた人のみ。いろんな意味でうらやましい限りです。

 

 

アンディ・マリー。Queen’s Clubでの言葉。

(ATP.comより)

来週のクイーンズ・クラブ選手権でダブルスに出場予定のアンディ・マリーがQueen’s Clubでインタビューに答えました。

 

アンディ・マリーの言葉

”出来ることなら、(ダブルスを)毎週プレーをしたいと思っている。だけど、実際に始めてみないとどうなるか分からない。ここまではいい感じできている。ダブルスをしたり、その他にもいろいろと練習してきたが、いまのところ大丈夫だ。でも、実際の試合でプレーすることが、本当のテストだと思っている。ここでプレーしたあと、回復の状態が、現在どのような感じかが把握できると思う。”

 

”全てが、上手く行った場合、グラスコートシーズンの間は、ダブルスをプレーし続ける予定。だからといって、ダブルスでプレーするのはウィンブルドンで最後にして、その後すぐにシングルスでプレーし始めるわけではない。シングルスでプレーするためには、さらなる、リハビリとトレーニングが必要だ。だけど、そうすることを楽しみにしている。

 

”ここまでの回復の過程を考えると、(今後シングルスをプレーすることができるかどうかに対して)楽観的に考えている。いつになるかは分からないけど。(シングルスで復活するためには)正しい選択をし続けないといけない。ダブルスは、これまで私がやってきたことと、シングルスでプレーすることを、上手くつなぐ中間点だと思ってる。だから、このまま、正しい方向に前進し続けて、今年の後半には、目標にたどり着ければいいなと思っている。”

 

 ”気分はいいよ。ゆっくりと復帰を試みてきたけど、ここ数週間、結構な量の練習をしてきて、それをエンジョイしている。痛みはない。まだシングルをするには動きはちょっとスローで、もっと体を強くしないといけないけど、ダブルスをプレーするのには問題ないと思う。”

 

 

全豪オープンでのどん底の状態の時と比べると、今は、本当にポジティブな状況になってきました。ほんとうによかった。まだまだ、どうなるか分からないという不安もあるでしょうが、シングルス完全復帰を目指して、ゆっくり前進していってほしいものです。

 

アンディ・マリーがフェリシアーノ・ロペスと組んでダブルスでテニスに復帰するクイーンズ・クラブ選手権は6月17日から23日までの日程でロンドンで開催されます。