オール・アバウト・テニス

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カレッジテニス【NCAA D1 ナショナルチャンピオンシップへの道】

しばらくカレッジテニスのことを書いていませんでしたが、カレッジテニスはいよいよ最終段階に入っています。NCAA D1では、本日(4月29日)の午後、NCAA ナショナルチャンピオンシップへの出場校が発表されて、いよいよナショナルチャンピオンを決めるシーズン最後のトーナメントへと突入します。

 

まずは、カレッジテニスのここまでの道のりをおさらいしてみましょう!

1 レギュラーシーズン

1月から4月後半まで続くレギュラーシーズン。この間、同じカンファレンス内外のさまざまなチームと試合を行っていきます。レギュラーシーズンでの勝敗がITAランキングに影響し、そして、このITAランキングの順位がレギュラーシーズン後のNCAA チャンピオンシップへの出場権に影響を与えるので、気を抜くわけにはいきません。

2 カンファレンスチャンピオンシップ

レギュラーシーズンを戦い抜いた直後、4月の後半に行われる、カンファレンスチャンピオンシップ。文字通り、それぞれのカンファレンスのチャンピオンを決めるトーナメントです。例えば、UCLA、USC、スタンフォードなど強豪ひしめくPAC12を今年制したのは、男子はUSC、女子はスタンフォードでした。

 

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ここでなにが重要かというと、カンファレンスのチャンピオンは、文句なしに、NCAAナショナルチャンピオンシップの出場権が与えられるということ。ちなみに、NCAA D1男子テニスには30、女子には31のカンファレンスがあります。

男子を例にすると、カンファレンスチャンピオンである男子チーム30校がNCAA ナショナルチャンピオンシップへの出場をここで決めます。(この枠を” automatic bid ”と呼びます。)

ちなみに、男子では、30カンファレンス中、29のカンファレンスでチャンピオンを決めるトーナメント(カンファレンスチャンピオンシップ)が行われますが、 アイビーリーグだけは、これを行わずに、レギュラーシーズン中に行った同じカンファレンスのチーム同士との対戦成績でカンファレンスチャンピオンを決めます。やはり、 アイビーリーグ、勉強が忙しいのでしょうか。。。

ということで、ここまでで、NCAA ナショナルチャンピオンシップの64枠の内、  男子は30枠が、 automatic bid(カンファレンス・チャンピオン)で埋まりました。

  

3 NCAA D1 ナショナル テニスチャンピオンシップ セレクション

さて、男子では、残りの枠は34ほど【64(ドローサイズ)-30(automatic bid)=34】です。

この残りの枠は、automatic bid に対して、at-large bid(または、at-large berths)と呼ばれます。Automatic bid  や at-large bid(または、at-large berths)は テニスだけでなく、カレッジスポーツのセレクションで一般的に使われる言葉です。Automatic bidはその名の通り、一つの基準を満たすこと(D1カレッジテニスでは、カンファレンスチャンピオンになること)で、文句なしに自動的に出場権を得る枠です。それに対して、at-large bid は、ワイルド・カード”に似たような感じで、" At-large berths are determined by record, ranking, strength of schedule, and many other factors (レコード、ランキング、スケジュールの強さ(対戦相手の強さ)、や他の多くの要素を考慮して決められる)”と されています。

 

NCAA D1テニスの場合は、at-large bidは、レギュラーシーズンの成績をもとにしたITAランキングで決定されるので、わりとシンプルです。Automatic bid を得たチームを除いたITAランキングの中から、男子はトップ34のチームが "at-large bid". として、出場権を得ます。例えば、最新ITAランキング2位の強豪テキサス大学は、Big12カンファレンスチャンピオンシップの決勝で、ベイラー大学に敗れてしまったため、automatic bidでの出場権は逃してしまいましたが、ITAランキングが2位であるためにat-large bidでの出場権を得ることが確実です。

 

ちなみに今日(4月29日)の午後(男子は東海岸時間の午後6時、女子は同午後6時半)、このセレクションショーが行われ、その場で、出場校とドローが正式に発表されます。このショーは、ライブで、NCAA.comで放送されます。

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ちなみに、このセレクションショーをチームのみんなで集まってワイワイと見るのが恒例です。

去年のセレクションショーを見るアリゾナ州立大学のチーム。↓ 初戦で強豪と当たって😰。

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そして、いよいよNCAA D1 ナショナル テニス チャンピオンシップが始まります!

4 NCAA リージョナル(5月3日~5日)

64ドローのNCAA D1ナショナルチャンピオンシップの1回戦、2回戦は、リージョナルと呼ばれ、全米各地、16の異なったサイトに4チームが集まり1回戦、2回戦を行います。当然、ホストのチームは、ホームチームとしてのサポートがあり、有利になります。

ここまでを終えると、残り16校まで絞られます。

 

5 NCAA スーパー・リージョナル (5月10~11日)

スーパー・リージョナル は、今年から新しく取りいれられたフォーマットです。

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去年までは、リージョナルで勝ち残った16チーム(スイート16)が最終的な一つのサイトに集まって、プレーしたのですが、今年から、リージョナルで1回戦、2回戦を突破した2チームが、シードの高いほうの大学のサイトに集まり3回戦を行います。そして、このスーパー・リージョナルに勝ったチームがナショナルチャンピオンを決めるため、全国からファイナルサイトに集まります。

 

6 NCAA ナショナルチャンピオンシップ (5月16日~19日、オーランド、フロリダ)

ちなみに、今年のファイナルサイトは、フロリダ、オーランドのUSTAナショナルキャンパスです。リージョナル、スーパー・リージョナルを勝ち抜いた8チーム(エリート8)が、ここに集まり、準々決勝~決勝を行い、ナショナルチャンピオンが決定します。

 

7  NCAA インディビジュアル チャンピオンシップ(5月20日~25日、オーランド、フロリダ)

チームイベントの後、そのまま、シングルス、ダブルスでのそれぞれのチャンピオンを決める個人戦に突入します。

 

これで、2018年~2019年のカレッジテニスシーズンは、幕を閉じます。

 

ただ、最後まで残れるのは、ほんの一部のチーム(と個人)。レギュラーシーズンの後に、すでの今シーズンが終了したチームも多いのです。すでに終了したプレーヤー達、とくにシニア(4回生)の皆さんは、お疲れ様でした。

まだ、残っているチームは、チャンピオンシップに向けて頑張ってほしいですね。

 

さて、今日は、カレッジテニスのレギュラーシーズン~チャンピオンシップの流れをおさらいしてみました。

 

今季、いよいよ残るは、NCAA ナショナルチャンピオンシップのみ。今年は、どんなドラマが見れるでしょうか。カレッジテニスからも目が離せません!