オール・アバウト・テニス

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全仏オープン4回戦:チチパスvs.ワウリンカ

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今日のチチパス対ワウリンカの試合は、とにかく素晴らしかった。見ているほうが、こんな試合を見ることが出来て、なんてラッキーなんだと感じた試合。

5セット5時間9分に及んだこの試合を、少しだけですが、振り返ってみましょう。

 

試合前

チチパス         vs   .ワウリンカ

世界ランク6位     vs            世界ランク28位

20歳        vs    34歳

片手バックハンド  vs   片手バックハンド

2019年マドリッドファイナリスト   vs 2015年ローランギャロスチャンピオン

全仏オープン3回目の出場(4勝2敗) vs 全仏オープン15回目の出場(41勝13敗)

初対決

 

いよいよ試合開始

第1セットは、ワウリンカが7-6(6)で取った。セットカウント:ワウリンカ 1-0

 

第2セットは、チチパスが6-2で取った。セットカウント1-1

 

 すごいポイント!

 

 第3セットは、ワウリンカが6-4で取った。セットカウント:ワウリンカ 2-1

 

チチパスのダイブ!

 

第4セットは、チチパスが取った。セットカウント 2-2

 

最終セットへ。

ワウリンカが5-5でのチチパスのブレークポイントをセーブした。

 

そして、

 

 ワウリンカがチチパスを7-6 (6), 5-7, 6-4, 3-6, 8-6で破る。

 

French Open 

Round of 16·Suzanne-Lenglen
Final
6 S. Tsitsipas
66
7
4
6
6
 
24 S. Wawrinka
78
5
6
3
8
 

 

 

 試合のスタッツ

ワウリンカ 194ポイント、62ウィナー、55アンフォースドエラー

チチパス  195ポイント、61ウィナー、48アンフォースドエラー 

 

 詳しいマッチスタッツはこちらから見ることが出来ます。↓

www.rolandgarros.com

特筆すべきはブレークポイントの数と成功率。チチパスは、27のブレークポイントがあり、そのうち5回をものにした。成功率18%。【5/27 (18%)】 一方、ワウリンカは、14のブレークポイントがあり、そのうち5回をものにした。成功率35%。【5/14 (35%)】 いかにチチパスが多くのチャンスをものにできなかったか、また、ワウリンカがいかに多くのピンチを防いだかが、垣間見える。

 

試合のハイライト

www.youtube.com

 

 

試合後

試合後のワウリンカのツイート

”素晴らしい日、素晴らしい試合、素晴らしい対戦相手、素晴らしい雰囲気。テニスにとってこれ以上のことはない。”

 

試合後のチチパスのツイート

"やることなすこと、何もかもうまく行かなかったとしても、気にすることはない。 またやって、また失敗すればいい。前より上手に失敗すればいい。"

ワウリンカにインスパイアされた。

 

フェデラーナダルなどのビック4に阻まれて、なかなか大きなトーナメントで勝てなかった頃、劇作家サミュエル・ベケットのこの言葉を、腕にタトゥーしたワウリンカ。試合後、そんなワウリンカにインスパイアされたとツイートしたチチパス。20歳のチチパスにとって一生忘れられない試合となったことでしょう。

 

ワウリンカは次は、フェデラーとの対戦です。もちろん忘れてはいません。

”これで満足したわけではない。もっと勝ちたいし、そうすることが出来たらいいと思っている。”

 

5セットマッチは、選手の体のことを考えるとよくないでしょう。ただ、素晴らしい5セットマッチは、素晴らしい3セットマッチと比べて、やはり、ダイナミックで、見ごたえがあります。今日のこの試合は、まさに、死闘でした。

最後は、さすが、ワウリンカ。グランドスラムジャイアント(グランドスラムでは特に素晴らしい結果を残すので)と呼ばれているだけのことはあります。2017年の膝の怪我の後は、なかなか、思ったような成績が残せずに、もう34歳だしなぁと思っていた矢先のこの試合。今日のワウリンカの全盛期を彷彿させるようなプレーには、まだまだ、若手には負けたくないという彼の意地を感じました。

ただ、34歳で体がどこまで回復するのか。34歳と37歳のスイス人同士の対決になる火曜日の準々決勝。すこし、懐かしく感じるこのカードを楽しみにしています。