オール・アバウト・テニス

主に海外(特にアメリカ)で取り上げられているテニスに関する興味深いニュースをピックアップしてお届けします。

UTRとカレッジ(大学)テニス その4  "あなたのUTRはカレッジテニスをするのに十分ですか?”

今回は、アメリカの元カレッジコーチで、カレッジリクルーティングのエキスパートであるジェフ・ボーレンガッサーさんのブログの記事を紹介しながら、カレッジテニスとUTRの関係をもう少し詳しく見ていきたいと思います。

 

”あなたのUTRはカレッジテニスをするのに十分ですか?”

カレッジでテニスをしたいと思っても、その道は、シンプルなものではない。NCAA内だけでも、D1、 D2 、D3と3つの異なったディビションがあり、それ加えて、NAIA(小さなカレッジが主の協会)や NJCCA(2年生のジュニアカレッジが主の協会)もある。それぞれのディビションで(または、ディビジョン内のそれぞれのプログラムにおいても)求められるテニスのレベル、奨学金の数、入学条件などは異なる。

現在、アメリカ国内には、1000弱の男子のカレッジテニスのプログラム、1000強の女子のカレッジテニスのプログラムが存在している。奨学金のサポートがあるのは、女子のD1カレッジプログラムで8スポット、男子では、4.5スポットである。D3の大学では、スポーツでの奨学金は支給されていない。

カレッジテニスのプログラムに入るには様々な要素が考慮される。しかし、その中でも、おそらく最も重要な要素であるテニスのレベルの判断は、UTRを使ことでととてもシンプルに理解できる。現在、多くの大学の監督がUTRを使ってプレーヤ-のレベルを判断している。UTRでは年齢や性別は関係なく、プレーヤーのテニスのレベルを1(ビギナー)~16.5(プロ)の数値で表している。

D1 でプレーしたいと願っている男子プレーヤーは少なくともUTR12以上が必要だ。先ほどすでに述べたように、男子プレーヤーに与えられる奨学金は、女子プレーヤーに与えられる奨学金より少ないので、D1 の男子プログラムのラインナップの真ん中~下位のプレーヤーが受ける奨学金は、通常、部分的な出費のみをカバーするものだ。フル(すべてをカバーする)で奨学金を受けることが期待できる、D1の男子トッププレーヤーは、通常UTRが13以上である。D2、 D3のトッププログラムのトッププレーヤーのレベルは、D1 のプレーヤーのレベルとさほど変わりはない。D2 でフルの奨学金を受けるには、UTRが少なくとも12は必要で、UTR11以上のプレーヤーは部分的な奨学金のサポートが期待できる。ラインナップの下のほうのプレーヤーはUTR10以上といったところだろう。D3 とNAIAのプログラムでは、プレーヤーの層にばらつきがあり、トップチームのプレーヤーや、その他のチームでもトッププレーヤーのUTRは12、13と他のディビジョンと比べて大きな変化はないが、弱小チームのラインナップの下のほうのプレーヤーは、UTR8、9のレベルである。

女子のほうはというと、トップD1プレーヤーは、UTR11以上が必要で、ラインナップの真ん中あたりのプレーヤーでUTR9以上のレベルだ。D2、D3、NAIAのチームの女子トッププレーヤーは、UTR10,11程度で、UTR7,8,9レベルのプレーヤーが真ん中~下のラインナップを占めている。女子のほうが奨学金が受けやすいので、女子は少なくともUTR8レベルに到達すれば、フルで奨学金を受けられる可能性が高い。男子と同じようにD3やNAIAの弱小チームのラインナップの下位のプレーヤーのレベルはかなり低くなり、UTR4,5,6程度である。

夢のカレッジプログラムでプレーしたいと考えている多くのプレーヤーにとって最大の難関は、そのプログラムで必要とされるテニスのレベルに到達することであろう。それと同じくらい大切なことは、自分のレベルにあったカレッジプログラムに自分の存在をアピールすることだ。

 

アメリカのカレッジのテニスプログラムは1000程度あるということで、プレーヤーたちのレベルも本当に様々です。あまりこだわらなければ、自分に合ったプログラムが見つかるのではないでしょうか。

日本のジュニアで本気でアメリカのカレッジでテニスをすることを考えている人たちへの一番のアドバイスは、「積極的」になることです。まずは、相手に自分の存在を知ってもらわなければ、何も始まりません。(もちろん、テニスも、勉強も、英語もしっかり頑張ってください。これは基本です。)一定の入学基準に達している場合は、しっかりカレッジ側とコミュニケーション取りながらガンガン行きましょう。

また、日本の試合ではUTRに載らないので、できれば、UTRに載るような試合に参加できたらいいですね。でも、そうでなくても道はあるはず。いろいろ考えてみてくださいね。

それでは、今回で、UTRとカレッジ(大学)テニスの話は、一応終わり。読んでいただいた方、ありがとうございました。カレッジテニスに関してはまた時々書いていきます。