憧れのフロリダ!
現在マイアミ・オープンが開催されているフロリダ州。フロリダと聞いてあなたは、いったい何を連想するか。オーランドのディズニー・ワールドやユニバーサル・スタジオ、ヘミングウェイが愛した透き通るような青い海に囲まれたキーウエスト、マイアミでのショッピングやナイトライフ。。。
様々な顔を持ち、世界中から多くの観光客が訪れる魅力的なフロリダ州。その観光客に混ざって、毎年、多くのジュニアテニスプレーヤー達が、アメリカ国内はもとより、世界中から、この場所に集まってくる。彼(女)らのバックグランドやテニスストーリーは、本当に様々だが、目的はみんな同じ。プロテニスプレーヤーになるため。彼(女)らは、そのために、よりよい環境を求めて、故郷を離れ、人生の大きな賭けにでる。
大坂なおみ選手は、幼い頃テニスのために一家でフロリダにやってきた。
7歳のマリア・シャラポワと父親が$700だけ持ってロシアからあのIMGにやってきたのはよく知られた話だ。IMGでは、錦織選手も13歳の時に奨学金をもらって一人でやってきた。アガシもネバダ州がら引っ越した。
フロリダにある有名なアカデミーはIMGだけではない。著名なコーチであるRick Macciのアカデミーでは、まだ、幼いウィリアムズシスターズやアンディ・ロディックなどが学んだ。
クリス・エバートが兄弟のジョンと共につくったEvert Tennis Academyもあるし、これまた、有名コーチである、Nick Saviano のNick Saviano Academyにも世界中から多くのプレーヤー達が集う。
その他にも本当にたくさんの有名、無名なテニスアカデミーがフロリダ中に点在する。
もちろん、トーナメントにも事欠かない。有名なジュニアの国際大会であるエディーハーとオレンジボウルも毎年ここフロリダで開催される。もちろん、それだけではなく、ビギナー~ITFまで、レベルや規模の異なった様々なトーナメントを見つけることができる。そして、マイアミ・オープンを筆頭にプロレベルのトーナメントも数多くある。
そんな、すでにテニスメッカであったフロリダをさらに強力にしたのが、2016年にオープンした、USTAのナショナルテニスキャンパス。オーランドの郊外に建設された、この巨大な施設には100のテニスコートあり、アメリカ国内のテニスの中心となった。現在では、アメリカのプロ達の多くがここを拠点として活躍し、また、多くのジュニアのナショナルトーナメントも、他州からここに移った。
とにかく、テニスでプロになりたい人、いやテニスが上達したい人は、誰でも、ここに来ると良い。そのために必要なものはすべてここにあるのだ。
プロになる夢を抱き、今年は、何人のジュニアテニスプレーヤー達がこのフロリダを訪れるだろう。そして、その中の何人がマイアミ・オープンでプレーできるのか。
そんな可能性が限りなく低いことをみんな知っているのだろうか。
ただ、テニスで、たとえ大きな成功を収めようが、収めまいが、この地でテニスに集中できる時間を人生の中で少しでも持つことができたテニスプレーヤー達は、テニスプレーヤーとしては、いわゆる世間でいう「勝ち組」なのではないだろうかと、ふと思った。