オール・アバウト・テニス

主に海外(特にアメリカ)で取り上げられているテニスに関する興味深いニュースをピックアップしてお届けします。

ナダルとマレーの友情:ジュディ・マレーのインタビュー

f:id:sakuragasaitane:20190212022041j:plain

 

 
前回の最後で少し触れたジュディ・マレーのインタビュー↓は、マレーが怪我でプレーできなかった昨年(2018年)の全仏オープン中にテニスチャンネルで放送されました。インタビュアーは元プロテニスプレーヤーで、現在はスポーツキャスターのメアリー・カリロです。
 

 

 

【内容(意訳)】

【メアリー・カリロ(以下、MC):マレーが最後に素晴らしい試合をしたのは、昨年の全仏オープン準決勝でのスタン・ワウリンカとの5セットマッチでした。そして、その試合中、マレーは怪我をしたのです。】

(ワウリンカが、世界ランク1位のマレーとのマラソンマッチに勝利して、全仏の決勝戦に戻ってきました。)

MC : あの当時、あなた、または、アンディは、怪我の深刻さを認識していたのですか。

ジュディ・マレー(以下、JM) : いえ、これほどとは思っていませんでした。彼は、常に痛みを訴えていましたが。。。この怪我で、今後こんなに苦しめられるとは当時は思ってなかったと思います。怪我が思っている以上に深刻であるのを認識するのには、少し時間がかかりました。そのまま、グラスシーズンで戦い続けて、とうとう、彼が、ウィンブルドンの準々決勝戦では、片足で戦かわなければならないような状況になり、ことの深刻さが理解できたのだと思います。

(マレーは、なぜ、まだトレーナーを呼んでいないんだ。)

(彼のヒップのあたりに何か問題があることは明らかです。)

JM : 彼が痛みを感じながら歩いている様子を見なければならなかったのは、本当につらかったです。

MC : 彼はそれ以来プレーしていないのですか?

JM : そうですね。それ以来、試合などは全くしていません。

アンディ・マレーは、体になにか大きな問題を抱えているようだ。)

(彼は、この後、体を直すために、そうとうな時間が必要ではないか。)

【MC : アンディの長期にわたる戦線離脱の間、彼の友達であるラファ・ナダルは、アンディに励ましの言葉を送り続けていました。この二人がかなり昔からの友達であったことを考えると、それも当然でしょう。】

JM : 彼らがそれぞれ15歳、16歳の時に、イギリスとスペインは、アンドラで行われていた16歳以下のヨーロッパチームチャンピオンシップの決勝戦で対決しました。彼らは、2人ともそれぞれのシングルスに勝利しましたが、その日の夜、アンディがコレクトコールでアンドラから電話を掛けてきたのです。彼は、何か問題でもない限り電話は掛けてこないので、私は、パスポートを失くしたのか、お金を失くしたのか、などと考えながらコレクトコールを受けると、「母さん、今、ラファとラケットボールをしてたんだけど、彼がどんなことしてるか知ってる? 彼は、太陽の日差しの下で、クレーコートで練習してるんだよ。学校にも行かなくてよくて、カルロス・モヤと打ってるんだって。それに比べて、僕がしてることといったら、母さんと兄さんとユニバーシティに行って練習して。。。」(うるさくて)受話器を耳から離して持つほどでした。でも、ある意味、それは、私にとってもうれしいことでした。アンディが、テニスの上達のためには、もっと何かやらなきゃだめだと自分で悟ったということだったので。スコットランドで、そのような環境を彼に与えることはもう無理がありました。でも、その決断は(周りではなく)彼がしなければいけなかった。彼が、自分自身で決めることだったのです。それがきっかけで、私たちは、ヨーロッパのテニスの中心地であるスペインのアカデミーの情報を集め始めました。そして、その6か月後に、アンディは、サンチェス・カセルアカデミーでのトレーニングをスタートさせました。

【MC  :  ラファとアンディは、その後もすっと、友情を育んできました。それは、アンディが怪我をし、リハビリをしている間も変わることなく。】

MC : ラファはいつもアンディを気にかけてきたようですね。とても、いい感じで。。。

JM : 彼らは本当にいい友達です。FIFAチャンピオンシップマネジャーというゲームを大陸を挟んでよく一緒にするみたいです。アンディがソファーに座ってタブレットかなにかを前に置いて、一人でしゃべっているようにみえたので、私が、誰と話しているのと聞いたら、「ラファだよ」、彼はどこに居るの? 「マヨルカ」、それは明らかだわ。何をしてるの? 「チャンピオンシップマネジャー」

彼らには、こういう共通の趣味というか、なにか一緒にするものがあるのです。彼らは、11歳、12歳のころから良い友達で、二人の間には硬い絆のようなものがあるように見えます。彼らは、お互いライバルですが、それと同時に良い友達でもあるのです。彼らは、それが可能なことを示してくれました。

 

ちょっと心が温まる話ですよね。ジュディ・マレーさんは、もっと、厳しい感じの人かと思っていましたが、ここでは、そんなことはなく、サバサバしていて、ユーモアもあってという感じです。きっと人気のテニスコーチなんでしょうね。

できることなら、マレーとナダルグランドスラムの決勝戦が一度見てみたかった。そこはとても残念です。今年いっぱいで引退を発表したマレーですが、出来ることならウィンブルドンでもう一度みたい。もう一度リハビリ頑張ってください!