オール・アバウト・テニス

主に海外(特にアメリカ)で取り上げられているテニスに関する興味深いニュースをピックアップしてお届けします。

自由のススメ~遊びの中から楽しんで学ぶ

ワォ。この子のこんな素晴らしいスキルは誰かにコーチされて得たものではないはず。誰かがしてるのを見ながら、自分で試行錯誤を重ねて、自分で学んで、自分のものにしたのね。子供をコーチしすぎないようにね、そして、甘やかして自立心を奪わないように気をつけて。彼らに「遊ぶこと」を通して学ばせて。(ジュディ・マリー)

 

プレイ(遊び)には、Unstructured play(free playとも呼ばれる) とstructured playがあります。Unstructured playでは、特にルールはなく、自分が自由に模索出来る環境の中でのプレイ。逆にstructured playは、ルールや決まりなど、制限がある中でのプレイ。

 

アンディ・マリーの母であり、テニスコーチでもある、ジュディ・マリーさんは、このツイートで、Unstructured playの重要性、子供に自由に遊ばせて、自分自身で学ばせることの重要性、を説いていらっしゃるのですね。

 

Unstructured playの良いところは、想像力や、問題解決能力を高めてくれるところ。また、他の人が関わっている場合は、コミュニケーション能力も鍛えられます。そのため、Unstructured playは子供の脳の発達に良い影響を与えてくれというリサーチ結果も出ています。

 

また、運動系のUnstructured playは、(通常)体の一部分を酷使したりしないため、体への負担が少ない、自然な形で楽しみながら運動能力を高めてくれます。

 

もちろん、特定のスキルを得るには、structured playの中で学ぶ必要もあるので、何事もバランスが大切なのだ思いますが、特に小さいころは、あまり、ガチガチにならずに、あまり規則などない、自由な中で楽しみながら、学んでいくことも大切よ、とジュディ・マリーさんは伝えています。

 

さて、テニスにおいても、Unstructured playはとても大切です。以前、USTAのナショナルコーチのお話を聞く機会があったのですが、テニスでのUnstructured play、いわゆる、友達同士でふざけながらする、”お遊びテニス”の重要性を強調されていました。

 

その方は、以前、WTAのトッププレーヤーと活躍された方でしたが、彼女には、どうしても勝てない相手が数人いたということで、それは、自分のプレースタイルが、パワーのみのハードヒットに頼る一辺倒のプレースタイルであったためと思われていたそうです。スライスやドロップショットなどが苦手で、パワーで押しきれない相手には勝てなかったとおっしゃってました。そんな彼女が、様々なショットを学ぶために重要であると強調されていたのは、”お遊びテニス”。 友達同士で、遊び半分でしているテニスの中から、子供たちは様々なショットを学んでいくということで、そういう時間も大切にしていほしいとおっしゃっていました。

 

全米オープンで優勝したアンドレスクの、パワーだけでなく、さまざまなショットを駆使したプレーを見てると、それも納得ですね。

 

ということで、楽しみながら、スキルを学べる、USTAナショナルコーチのお墨付き ”お遊びテニス”、お勧めです!