オール・アバウト・テニス

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サーシャ・バインコーチが大坂なおみと再び。。。なんてことはあり得るのか。

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wta.com

 

知りませんでしたが、大坂なおみの元コーチであるサーシャ・バインが本を出版するんでね。しかも日本語で。タイトル(メンタル革命という仮題)だけで判断するとメンタル強化の本みたいですが、どうなんでしょうか。本まで出すかとちょっとびっくりしています。

 

さて、WTA.comの記事で、サーシャ・バインのこの本のことが取り上げられていました。その本の中で、サーシャ・バインが、大坂なおみのことについて書いていることが抜粋されて載っていましたので、紹介します。

 

サーシャ・バインが大坂なおみについて書いたこと(WTA.comより)

 

”今はまだ、傷が癒えていない。でも、なおみが関係解消したことについて、恨んだりはしてない。僕の仕事は、彼女の夢をかなえるための手伝いをすることだ。僕らの関係を続けるか否かは、彼女に全て決定権がある。”

 

”もし、なおみが将来そう望むなら、彼女と再び、(彼女のコーチとして)仕事を一緒にすることも僕には想像できる。その道が完全に閉ざされているとは思いたくない。いつか将来、我々がまだ仕事を一緒にする可能性は残されていると思いたい。プレーヤーとコーチが一度関係解消してから、その後、再び関係を戻したということは、テニスではたまにあることで、そうなっても前代未聞というわけではない。実はそんなに珍しいことではない。なおみと僕は今は、違う道を歩いているけど、将来は何が起こるかは分からない。”

 

”僕は、愛と情熱(love and emotion)を持って、彼女の夢が実現するように献身的に努力した。僕は彼女が達成したことをとても誇りに思っている。エリートプレーヤーのテニスコーチというのは、他のどんな仕事よりも不安定な仕事だ。プレーヤーはいつでも、コーチとの関係を解消することが出来る。それでも、なおみのエージェントからの電話で、なおみが我々の関係を終えることを決めたというニュースを知った時は、ものすごくショックだった。”

 

”(解消を言い渡された)その日の早い時間帯になおみと僕とチームのみんなで会っていた。その時、僕らが問題を解決して、まだ一緒にやっていけると信じながら僕はそのミーティングを後にした。彼女が、僕をまだ必要としていると思っていた。僕らの関係があのタイミングで終わってしまったことは、とても悲しい。2019年の全豪オープンで優勝して2つ目のグランドスラムを取り、No1 になったばかりの時のタイミングで。”

 

"なおみと僕は、長期にわたり、何年間も一緒に良い仕事ができるのではないかと思っていた。少なくとも僕はそのつもりだった。あと5年くらいなおみのコーチとして仕事をして、それから、帯同コーチとしての仕事を引退する。そんなつもりだった。その間に、テニスにおいて私が達成したいことは、おそらく、全て達成できたのではないかと思うから。”

 

”なおみを助けるためなら僕はどんな犠牲でも払ったし、なんでもするつもりだった。彼女は、もちろんそれを知っている。僕は、なおみのために全力をつくしたし、これ以上にできないほど頑張ったから、(後悔などなく)夜はぐっすりよく眠れる。”

 

”一年間という短い間に、コートの中でも外でも、多くのことが起こった。それらのことを受け入れ、自分なりに理解するのには、時間がかかる。人生で起こること全てには何らかの意味があると信じている。僕が一度も会ったことがない知らない人達が、ソーシャルメディアで、内部事情を知ってるかのような、驚くようなことを書いたりしているのを見て、とにかく驚いた。”

 

”その中のいくつかは、すごく極端な話で、”いい加減にしろよ”と返事したくなったけど、自制した。そんなことをしたら、話がもっとややこしくなると分かっていたから。ソーシャルメディアで見た噂の一つは、僕らが金銭的なことでもめた、という話だ。それはまったくのでたらめで、僕たちの間で、お金のことが問題になったことは一度もなかった。”

 

″僕となおみのように、毎日のように一緒に仕事をして、それが突然終わりを迎えた場合は、誰でも、まるで失恋でもしたような気分になると思う。なおみとは、毎日のように会っていた。2018年の一年の間で、なおみに会わなかったのは13日だけ。そんな濃密な関係だった。だから、彼女ともう一緒に仕事が出来なくて、彼女が僕の周りにもういないということ、そういうことが寂しいと思うのは普通のことだと思う。”

 

”彼女の物静かな性格とが、シャイな笑顔とか、皮肉交じりのユーモアとか、パームビーチ・ガーデンズにある僕の家から、僕たちがトレーニングをしていたボカラトンにあるクリス・エバートアカデミーまでのドライブとか、そうことが懐かしく感じる。でも何よりも、なおみと話とすることがもうできないことがとても寂しい。なおみのことは、ずっと気にかけている。彼女は、とてもいい子だから。”

 

 

コーチとアスリートは多くの時間を一緒に過ごし、その関係は、その間とても濃いものになります。あのタイミングでの関係解消の背後にはだれも語らない、私たちが知ることのない大きなドラマがあったことでしょう。どんな終わり方をしても、二人三脚で頑張ったあの時間は、2人にとってかけがえのないものであることには変わりありません。時間はすべてを癒してくれるから、いつかこの2人が笑ってその時のことを話せるような、そんな時がいつかきっとやってくるでしょう。

 

サーシャ・バインがこれをいつ書いたのは不明ですが、現在は、なおみには新しいコーチがいて、彼にも新たなプレーヤーがいる。今後は、2人とも更なる飛躍のために、前進あるのみです。