オール・アバウト・テニス

主に海外(特にアメリカ)で取り上げられているテニスに関する興味深いニュースをピックアップしてお届けします。

大坂なおみ テニストーリー

 

今回のテニストーリーは大坂なおみ選手。

ハイチ出身でハイチ系アメリカ人の父と、日本人の母を持つ、アメリカ育ちの彼女。

日本から普段見ることがあまりない、ハイチ文化と関わる彼女をご覧ください。

 

内容(抄訳&要約)

全米オープンの勝者には、ウィニングランが必要だ。大坂なおみウィニングランには、父が生まれたハイチで時間を過ごすことが含まれていた。

 

カメラマン達:テニスマッチ(で勝った)後に、(身振り手振りで)こんな風に表現するだろう? そんな感じで自分の感じていることを自由に表現してみて。喜びとかね。マッチに勝った直後はなにを感じてるの?

 

なおみ:別になにも感じてないよ。。。特に何もしないし。

 

ハイチ人と日本人のハーフで育ちはアメリカの大坂は、一見、複雑に見えて、何を考えているのか読みにくい。

 

男性:僕がなおみと仕事してると知った人は、みんな僕に、なんでなおみはあんまり笑わないのと聞いてくるんだ。友達がみんな携帯テキストでそう聞いてくる。

 

なおみ:えー、私はたくさん笑っていると思うけどなぁ。でも、笑いたくないときに、無理に笑ったりはしない。それは心からの本物の笑顔ではないから。それに、コートにいる時は、あまりいろいろな感情を感じないほうが、上手くプレーできると思うの。それが私にとっては自然なことでもあるし。たまに、この試合に勝ったら、(喜びを表現するために)ラケットか何かを投げてみようかなとか考えることもあるけど、結局は、やらないで終わるの。

 

たとえ内心では何を感じていようとも、大阪はほとんどそれを外に見せることはない。

 

そんな彼女の姿は、2018年の全米オープンの決勝ような大きく感情的なイベントとは、とても対照的だ。

 

なおみ:全米オープンの決勝でセリーナと対戦することは小さい頃からの夢だった。ちょっとクレイジーな夢だったと思う。それが現実になっても、なんだか、ぜんぜん現実味がなくて夢をみているようだったわ。

 

その試合は始めから、リズムに欠けた、奇妙な試合だったけれど、その結末は信じられないほど、まったく異常だった。

 

なおみ:みんなはセレーナを応援してたのに、こんなエンディングなってしまって、ごめんなさい。

 

なおみ:それが起こっているときは、なにが起こってるかよくわからなかった。今、考えると、その当時はとても混乱していたわ。でも、もう全米オープンのことは過去のこと。今はもう吹っ切れたわ。

 

散髪屋の男性:子供達は、なおみの例からたくさん学べると思う。将来なおみのような人がこの国を代表する人になってくれれば、それはとてもいいことだ。

 

スポットライトを離れて、大坂は父の故郷であるジャクメルを訪れた。大坂の家族がもう何年も前に、ここに学校を建てたのだ。そして、彼女はそれをサポートするために、今回ここにやってきた。地元の人たちは、そんな彼女をまるでヒーローを迎えるかのように大歓迎した。

 

なおみ:ハイチの人たちは、友好的でとても暖かい。父から、ずっととそう聞いていたけど、それをついに、実際に経験することができたわ。

 

女の子:なおみはアスリートでチャンピオン。 私たちもなおみのようにチャンピオンになれると証明して見せるわ。

 

なおみ:私が子供たちをインスパイアすることができるかどうかはわからない。でも、そうすることができたら、とても誇りに思うわ。

 

大坂はとても控えめな人だけど、ここでも、コート上と同じように、行動で示す。

 

なおみ:この学校を訪れることは、私たちにとってとても大切なことだったの。父と母が建てた学校がどんどん拡大して大きくなっていったのよ。

 

なおみ:両親が力を入れた学校が、うまくいって、実際に小さい子供達が通っているのを見ることは、とても素晴らしいと感じるの。

ハイチの人たちを見て思ったのは、彼らが人に与えることが好きであるということ。彼らは、自分が持っているもの以上のものを人に与えようとするの。私も彼らを見習って、そんな風になれたらいいなと思う。

 

大坂なおみはこの先、どのくらい、私たちに何かを与えてくれるだろうか。2019年のシーズンが始まった今、その答えをみつけることができるだろう。彼女のライバル達が、まだまだなおみは上達すると恐れているように、この素晴らしい才能と、素晴らしいバックグラウンドを持った彼女が、もっとギアを上げることができるかどうかじっくりと見守っていこう。

 

なおみ:グランドスラムチャンピオンになるとある意味人生が変わる。どのように変わるかは人それぞれ。私は、自分の道を信じていくの。うまくいくように願いながらね。