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大坂なおみの本音が聞ける? 彼女がゲストのポッドキャスト WTA Insider Podcast

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大坂なおみ選手、全豪オープン優勝後、本当に、連日メディアで引っ張りだこでしたね。チャンピオンになるとテニス以外でもいろいろと大変な部分もあるでしょう。上手く適応していってほしいと願いうばかりです。

今回紹介するのは、WTAのウェブサイトから、大坂なおみ選手がゲストのポッドキャストです。(ポッドキャストとはインターネッ上で公開するされる音声や動画のデータファイルです。まさに、ラジオを聞いてるような感じですよね。)優勝した次の日の朝、トロフィーを持って写真撮影をするためにビーチに向かう車のなかで収録されています。

話を聞いているのはWTAの関係者(シニア・ライター)である、コートニー・ヌウェンさんです。以前にからの知り合いのようで、お互い、気心が知れているのでしょうか、大坂選手がリラックスした感じで話しているのが印象的です。13分と少し長いので、内容を省いたり、要約しながら、すごく大まかに訳しています。その点ご了承ください。

 

 

 (抄訳・意訳)

コートニー・ヌウェン(以下、Cと表記しています):今回は、2019年、全豪オープン優勝者の大坂なおみさんがゲストです。約5か月前のように、また再び車の後部席で話を聞きます。現在、優勝後の写真撮影のためにブライトンビーチに向かう車の中です。昨夜、優勝を決めてから、数時間が経過しました。今朝はどんな気分ですか。

ナオミ(以下、Nと表記しています):また車の中であなたと話しているなんてデジャブですね。(優勝してから)まだ数時間しか経ってないですが、いろいろな人からお祝いのメッセージをもらって、少し現実感が出てきました。

C:優勝を決めてしゃがみこんだ瞬間、なにを考えていましたか。

N:ただ、「ウォー」って(笑)。いろんな思いが浮かんできて、胸がいっぱいになりました。こんなに早く、グランドスラムで再び優勝できると思っていなかったので、いろいろな感情が湧いてきました。

C:それは、どんな感情でしたか? 言葉にすることはできますか?

N:接戦だったので、勝つことができて、ほっとしたし、ある意味(勝てたことに)驚いた気持ちもあったし、嬉しい気持ちもあったし、疲れてもいたし。。。とにかく、いろいろな感情が一度に一気に押し寄せてきました。

C:2セット目を失って、3セット目は、感情を無くして、心を体から切り離すようにして戦ったと言ってたけど、自分が戦っていたっていう感覚はありましたか? それとも、誰かが戦っているのを外から客観的に見ているような感じでしたか。

N:変な感じでした。時間が経てば、私が実際にプレーしたかどうか、わからない状態になっているかもしませんが、今はまだ起こったばかりなので、私が実際にプレーしてて、自分で判断して、自分でショットを決めたという感覚はあります。それと同時に、自分がプレーしてるのをコンピューターの画面から見ていたような、そんな不思議な感覚もします。

C::いろんなことが掛かった大きな試合だったのでそれも当然ですね。今回の勝利であなたが(新しいランキングが発表される)月曜日には世界ランキング1位になります。ランキング1位というのは、常に安定して勝利している選手がなりますよね。あなたは、全米オープン後、最近の6試合のうち5試合で、少なくとも準決勝まで、またはそれ以上の成績を残しています。月曜日に世界ランキング1位となった時、一番、誇りに思うことは何だと思いますか。

N:母が電話でおめでとうって言ってくれるときは、いつもとても嬉しいです。父は何も言いませんが。。。

C:お父さんは、今後ろで寝ています。

N:過去2年間、ランキング10位以内になることが目標でした。そうすれば、自分の地位を築いたことになると思っていたのです。だから今こうなったことも、本当にまだ実感がわきません。ただ、一年を通して、良いプレーがしたいと思っています。ハードコートだけではなく、他のサーフェスでも成功を収めたいです。

C:みんな、あなたのことを深く知りたいと、なぜか、私にあなたのことを聞いてくるんですけど。。。

N:♪ビコーズ ユー アー マイ ベスト フレンド~♪

C:(大笑い)そうだとしたら、とても悲惨な状態ですね。ところで、あなたの成功は、お金とか名声のためというよりも、最高のテニスプレーヤーなりたいという願いや、親に誇りに思ってほしいという思いなど、そんな純粋な気持ちがモチベーションになって起こったことのように見えるのですが。

N:そうですね、私のモチベーションはそんなシンプルなものです。私の目標はいつも、私がなりえることのできる最高のテニスプレーヤーになることなんです。みんな人にはそれぞれの道があり、私の道を他の人がマネすることはできないと思います。だから、人生は面白いと思うんです。有名になるとかそういうことは苦手です。でも、もちろん成功すると、そういう部分も一緒についてくるし、それは仕方がないと思っています。でも、私にとっては、テニスプレーヤーであることがまず一番だし、それが最も重要なことです。

C:2日前に、あなたのトレーナーと話す機会があって、ナオミの特別なところはなにか聞いてみました。彼は、なおみは私が教えることをよく聞いてくれる、と言っていました。これまでのチャンピオンになるためのトレーニングの過程で、人のいうことを疑ったり、聞かなかったりしたことはありませすか。

Nある程度のレベルになった後は、そういうことが、わりとすんなりと受け入れられるようになりました。でも後ろの人(父親)には、申し訳なかったと思っています。小さい頃は父の言うことを聞かなかったですから。あのころは、誰かが何かを私言う前に、自分でやりたいという気持ちがとても強かったように思います。自分の答えは、自分で見つけたいと。あまり良いことじゃないと思いますが、いつもそんな感じでした。例えば、みんなが、もっとコンシスタント(ミスを少なくして安定したプレーをすること)にならないとダメだよといったけれど、始めはNOって言いました。でも、しばらくして、そのことを自分で少し考えてみるわ、と言ったら、それを聞いて、みんなとても喜んだのです。それで、自分で納得してそういう風にプレーすることを心がけるようになりました。でも、小さいころは言うことを聞かなくて父には申し訳なかったと思います。

C:昔は、いつも自分だけで考えて自分で答えを見つけようとした、それが、唯一の反抗期だったのですか?

N:そうですね。父も私も頑固なので、合わない時もあります。

C:もっと前からやっていたのかもしれませんが。。。私が初めて気が付いたのはおそらく準々決勝だったと思うのですが、試合で勝って、相手と握手した後、なにかスイミングモーションのような動きを(泳いているような動きを)チームを見ながらしてましたよね。

N:ノー

C:あれは何なのか教えてくれますか。私には自説があるんですけど。

N:あなたの説をまず聞いてみましょうか。

C:ファインディング・ドリ(映画の名前)のような感じかなぁと。ずっと泳ぎ続けるよ、ずっと前に向かうよ、勝ち続けるよ、とか、そういうような意味があるのかなと。。。でもあなたは、今、変な目で私をみてるから、多分違うんでしょうね。

N:あれはチームと。。。。まったく、スイミングとは関係ないんです。あ~、でも、その意味でもいいです。

C:どんな意味なんですか? 教えてくださいよ。

N:それはできないんです。そのミステリーはあなた自身で解いてみてくださいね。

C:分かりました。今後数か月間の私のプロジェクトにします。いつかは解けると思いますけど。ところで、あなたの家族は今どこに居るんですか? マリ(姉)は遠征中? お母さんとマリと、優勝後に話す機会がありましたか? 

N:昨夜、プレスの会見が全て終わってから母に電話したんですけど、母はおめでとうも言わないで、早く寝なさいって怒ってました。(冗談っぽく)だから、すごく愛を感じました。それから、ホテルに帰ったあと、今度は姉に電話したのですが、姉はとても喜んでくれていました。姉と話しすることが大好きなんです。

C:インデアンウェルズ、全米オープン、そして今回の全豪オープンと、その間、あなたは、トッププレイヤー達、みんなに勝利しましたね。(ここで大坂が倒した選手の名前を上げる。)この過程の中のどの時点で、あなたの頭の中で考え方が変わって、その結果、これだけ安定した結果を出したり、これほどまでの成功を生むことができたと思いますか。

N:実は、トーナメントで勝ったことはあんまり関係ないんです。USオープンの後からだと思います、変わったと思うのは。インディアンウェルズで優勝した後は、ものすごいスランプになってしまいました。その経験から学んだので、全米オープン後のトーナメントでは、(スランプにならずに)勝てるようになりました。(スランプになった時に得た)教訓から、精神的にすごく成長できたと思います。今年もそれを生かして、このまま、いいプレーをし続けたいと思っています。

C:インディーアンウェルズとか、中東スイングとか、テニスに関係なく、今、一番楽しみにしていることはなんですか。

N:今は、ただ、母と姉に会いたいです。

C:とてもドラマチックな2週間でした。すばらしかったです。世界ランキング1位もおめでとうございます。今日はありがとうございました。

N:私のお気に入りのレポーターさん、ありがとうございました。

C:(そう言ったこと)テープにちゃんと録音してますからね。

 

なんだか、優勝を決めたばかりの興奮感とか達成感とかが伝わってきますよね。大坂選手が全豪オープンの後、これからどう戦っていくか、注目しています。

 

これについての記事は↓から読めます(英語)

www.wtatennis.com