オール・アバウト・テニス

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あなたに合ったプレーを

あなたのプレースタイルは、何ですか? 良い動きでディフェンス力に長けたカウンターパンチャー? それとも、ビックなフォアハンドが武器のアグレッシブベースライナー? あなたに合ったプレーをすることは、あなたのテニスのサクセスに大きく影響します。今回紹介する記事は、心理学者で、テニスコーチで、元ウィンブルドン準々決勝進出者でもある、アレン・フォックス氏ものです。あなたに合ったプレーをするためのアドバイスをしてくれます。

 

あなたに合ったプレースタイルを

【あなたが考えているように、そのままプレーすればいいのです】と言われたことはありませんか? とってもシンプルなアイデアです。実行できていますか?

長年、プレーヤーとして、またコーチとしての経験から、私は2つのことを悟りました。一つ目は、あなたの性格に合ったプレーをすること。なんだそんなことか、と思っているかもしれません。2つ目は、実は、この一見当たり前のような事実も、そんなに単純ではないこと。コーチの「あなたを思って」というアドバイスや、憧れのテニスプレーヤーにようになりたいと願いなどが影響して、この事実が見落とされることがたびたびあります。

私達には、みんな、テレビで何度も見ている憧れのプレーヤーがいるでしょう。そんな、テニスアイドルがいることは通常は、良いことです。ただ、そのプレーヤーのプレーを真似したりしていませんか? そんな時、その憧れのプレーヤーがあなたと異なった性格であると、問題が生じるかもしれません。また、コーチからあなたのプレーについて何か提案されたときは、それがあなたの性格に合っているか、受け入れる前にどうかよく考えてみてください。

テニスのプレースタイルで最も基本的な選択は、攻撃的なプレースタイルか、守備的なプレースタイルかでしょう。この選択は、まず、どちらがあなたの性格に合っているかどうかを考えて選ぶことが大切です。あなたがリスク回避型の人間ならば、あなたのプレースタイルもより慎重な、守備型のスタイル(エラーの少ない、安定したプレーで相手のミスを誘うプレースタイル)に近づけたほうが、しっくりするでしょう。もしあなたが、リスクを好む勝負師ならば、あなたには、攻撃型(アグレッシブなプレーで、ウィナーでポイントを取るスタイル)のプレーが合うでしょう。私の時代では、ロッド・レーバーやアーサー・アッシュが、攻撃型プレーの代表的な存在で、パンチョ・ゴンザレス、ジョン・ニューカムが守備型プレーの代表的な存在でした。

私は、守備型のプレーヤーでしたが、私の性格に合った、そのプレースタイルに落ち着くまでの道のりは平坦なものではありませんでした。UCLAでの大学時代のコーチは、もし、対戦相手がファーストサーブをミスしたら、必ず、アグレッシブなセカンドサーブリターンをして、相手を「痛めつけるように」と言いました。そのため、私は、セカンドのサーブリターンを、必ず、フラットで力強く打ちました。その戦術は、自分よりレベルの低い対戦相手には、上手くいきました。しかし、しばらくすると、手強いなと思う相手には、あまり効果がないと悟ったのです。私は、特に大切なポイントでナーバスになり、リターンミスを重ねてしまったのです。攻撃型のスタイルは、私の慎重な性格には合いませんでした。チップリターンで、ボールを低く保ち、相手に難しいボレーをさせてミスを誘うほうが、私には、心情的にしっくりきたし、実際にポイントを取れるパーセンテージも上がりました。

「ヒット アンド ホープ(打って、上手くいくように願う)」というようなことは決してすべきではありません。あなたの精神的に落ち着く範囲内で、パワーをコントロールすれば、ミスの可能性は減ります。この「しっくりくる」レベルというのは、人それぞれで、もちろんあなたのスキルにも大きく関係しますが、それと同じくらい、精神的な問題でもあります。あなたが大丈夫だと感じる範囲内でパワーを調節しないで、その範囲を超えてしまうと、エラーの確立が著しく上がります。

あなたのプレースタイルを、誰かがこうするべきだといったからという理由で選んだり、性格(資質も)の異なったプレーヤーを手本して真似るのは間違いです。偉大なプレーヤー達は、よく、重要なポイントでは、アグレッシブにプレーしなければいけないと言います。それは、彼らの性格には合っていても、あなたの性格には会っていないかもしれません。ロッド・レーバーは、どんな時でもしっかり打てば、必ず良い結果になると言っていましたが、それは、偉大なチャンピオンであるレーバーには、合っていましたが、私には合っていませんでした。私と同じような、天才ではないプレーヤーは、緊張するような重要な場面では、もっと保守的なプレーをしたほうが、上手くいくことが多いのです。こうした場面での、すばらしいウィナーは、天才たちのために残しておきましょう。

 

自分に何が合うか合わないかを見極める力もテニス上達には大切ですね。プレースタイルを選ぶ時は、スキルだけでなく、あなたの性格も考慮するのを忘れないで下さいというフォックスさんのからアドバイスでした。