オール・アバウト・テニス

主に海外(特にアメリカ)で取り上げられているテニスに関する興味深いニュースをピックアップしてお届けします。

全仏オープンは3回戦で敗退。大坂なおみの言葉。

グランドスラム3連覇なるかと大注目を集めていた大坂なおみ選手。残念ながらチェコのカテリナ・シニアコバに負けてしまいました。

大坂選手は、この試合、ファーストサーブもあまり入らず、リターンも良くなく、アンフォースドエラーの数は、シニアコバの13に対して、ほぼ3倍の38という散々な結果でした。

  

大坂なおみ選手のプレス会見の一部 その1

Q:(敗戦後の)今は、どんな気持ちか。

大坂:”I feel depressed (ひどく落ち込んでいる)”とは、言いたくないけど、でも、そんな感じ。このような時のために、一生懸命に練習してきたのに、自分の思うようなプレーができなかったんだから、そういう風に感じるのは、自然なことだと思う。まあ、でも、今の気持ちを表現するのに "I am depressed (うつ、またはうつに近い状態で激しく落ち込んだ状態を意味する)"と言ったら、それは大袈裟すぎる。そんな気分になったことが以前あるけど、今回は、それほどひどい状態ではない。今の気持ちを表すには、”very disappointed(とてもがっかりした)"という言葉が近いかな。今日の自分のプレーにすごくがっかりして、もっと良いプレーが出来ていたらと思うけど、時間は戻せないから。

 

大坂なおみ選手のプレス会見の一部 その2

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Q:あなたは、このトーナメントをあまりエンジョイしてないように見えましたが、それは、No1であることへのプレッシャーからでしょうか、それとも、なにか他の要因があるのでしょうか。

大坂:全てのことが、今までと違っていて、プレッシャーは感じていた。全仏オープンでは、以前にもプレーしたことがあるけど、今回とは、状況が全く異なっていた。確かに、このトーナメントでは、私は、あまりハッピーではなかったと思う。あなた達の多くは、テニスジャーナリストだから分かっていると思うけど、テニスに詳しくない人はみんな、ランキングがすごく下の相手と戦うときは、私が勝って当然だと思っている。でも彼女達もとっても上手いのよ。ただ、安定して良いプレーができないだけ。私だってそうだった。私は、今世界ランク1位だけど、去年は70位ぐらいだった。だからそんな彼女達がとても良いプレーをしてきたら、私ができることはあまりないわ。多分、あなたの質問の答えにはなってないと思うけど。

Q:ナオミ、この重荷から解放され、あなたをハッピーにすることは何ですか? これから何を楽しみにしてますか?

大坂:変だと思うかもしれないけど、今日負けたことが、私にとっては、ベストな出来事だったと思っている。ずっと夢だった年間グランドスラムのことを考えすぎていた。もしそんなに簡単に達成できるなら、もうみんな達成できてるはずでしょうって思わないと。トレーニングを頑張って、また、それが狙えるポジションになりたい。とりあえず、今は、このトーナメントにサヨナラする。さよなら、家に帰るけど、ぜんぜん寂しくないわって感じでね。

 

去年よりは慣れたにせよ、やっぱり、彼女にとってクレーコートシーズンは、もともと、苦手で、あまり楽しいシーズンではない上に、今年は、ランキング1位ということもあり、かなりのプレッシャーもあったようです。「いつもは、グランドスラムでは楽しく、自由な感じでプレーができるのに、今回は、大会中リラックスできずに、いつも、寝ているときでさえ、神経が張り詰めていたように感じた」と大坂選手は、言っていました。

 

こちらから大坂選手のプレス会見のフルバージョンが見ることができます↓

 

負けた直後の会見って残酷ですよね。大坂選手も、見てるだけで、気分が落ち込んで、まだ、心の整理が全くできてない状態であることがよく分かります。

最後のほうで、”I have so many thoughts going on right now.(いろいろな考えが頭をよぎってるわ)”って言ってますが、そりゃそうだ。今はまだそんな混乱状態で当然でしょう。

 

大坂なおみ選手は、まだ21歳の若手プレーヤー。ツアータイトルも、まだ3つ。これまでのクレーコートシーズンでは、1回戦、2回戦で負けることも少なくなかったんだから、よく考えたら、今年、いきなり優勝するほうがびっくりします。クレーコートにもっともっと慣れるのも、コンシステンシー(安定性)が増すのも、これからですよね。

 

先日紹介したフェレールの若手プレーヤーに向けた言葉。

私の場合は、通常、敗北から、喪失から、苦しい時間から、学んだ。このようなとき、人は多くの時間を失い、敗北感を味わい、そして、また立ち上がって、前進していかなければならない。このような経験が、私を、今のようなテニスプレーヤーにしてくれた。苦しい、いらただしい時間と向かい合い、受け入れ、そして(元の状態に)回復する。夢を叶えるためには、それを、1日、2日、3日だけではなく、キャリアを通して、何度もずっと繰り返していかなければいけない。ーダビド・フェレール

 

こうやって、負けながら、挫折しながら、どんどん学んでいくのでしょう。

 

まだまだ、大坂なおみ選手の戦いは始まったばかり。彼女がこれから、どのように成長していくか、楽しみにして、見守っていこうと思います。