オール・アバウト・テニス

主に海外(特にアメリカ)で取り上げられているテニスに関する興味深いニュースをピックアップしてお届けします。

大坂なおみが「本当に」言ったこと

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大坂なおみとバインコーチの関係解消が発表されてからもう10日が経とうとしていますが、いまだに、原因について様々な憶測が飛び交っています。本人たちが理由について多く語らなため、私たちは、大坂なおみの数少ない言葉の中から、ボディーランゲージから、なんとか、手がかりを探そうとします。「関係者」の話としながら、憶測のみで書かれたような記事も見受けられます。二人三脚でトップに上り詰めたアスリートとコーチの決別の理由はなんだったのか。

 

今回は、ドバイの大会の前のプレス会見で大坂なおみ選手が語ったことを彼女に言葉のみで紹介します。この時も彼女は多くのことを語っていませんし、これからも語ることはないでしょう。会見で彼女の言ったこと、あなたはどう受け取りますか。あなたなりに判断してみてください。

 

大坂なおみ ドバイでの大会前プレス会見での発言:

 "Everyone thinks it was a money-related issue, but it wasn't. That's one of the most hurtful things I've ever heard. I travel with everyone on my team, I see them more than my family. I would never do that to them."

「(関係解消の理由を)みんな、金銭的な問題だと思ってるみたいだけど、そうじゃない。そんなことを言われてとても傷ついているわ。私は、チームのみんなといつも一緒に遠征していて、彼らと過ごす時間は家族といるよりも長いのよ。そんなことを(彼らと金銭的なことで揉めるというようなことを)、私が彼らにすることは絶対にないわ。」

 

"I'm not going to say anything bad about him because, of course, I'm really grateful for all the things that he's done. I wouldn't come here and say anything bad.”

彼(バインコーチ)のことを悪く言わないことにしているの。本当に彼のしてくれたことには感謝しているし。だから、ここで、彼のことを悪く言うことなんてしない。

 

"I would not want to split on really bad terms, because of course he was sort of the one who made me open up to people, so I didn’t want it to be a really hostile thing."

いがみ合って別れたくはないと思ったの。もちろん、私が、他の人と打ち解けることができるようになったのは、彼の存在が大きい。だから、お互い憎しみあうような状況にはなりたくなかった。

 

"It was kind of brewing in Australia. I think some people could see that if they saw how we interacted."

オーストラリアに居る時にすでに関係は悪くなってきていたの。私たちの様子を見て気が付いた人もいるでしょう。

 

"The biggest thing is I don't want myself to think to be successful I have to put success over happiness, because if I'm not happy being around certain people I'm not going to torture myself."

成功するためには、幸せを犠牲にしなければならないと考えたくないの。私にとって一番重要なことよ。もし、誰か特定の人が私の周りにいることで、私が幸せを感じられなくなったら、私は、そのことを(成功するために)我慢して、自分を苦しめたくないわ。

 

"If I'm not waking up every day happy to practice and happy to be around the people I'm around, this is my life."

もし、私が毎日、幸せな状態で練習できなければ、周りに居る人と一緒に居て幸せに感じることができなければ、(それは私にとって良くないこと。)私の人生なんだから。

 

“I'm not going to sacrifice that just to keep a person around. I have to be happy with where I am at my life. I feel like I worked really hard – maybe not for 21 years, but for 17 years - to be No.1 and to win Grand Slams."

(成功するために)自分の気持ちを犠牲にしてまで、誰かをキープすることはしない。現時点での私の人生には、満足しているわ。これまで、過去21年間とは言わないけど、17年間ぐらいは、一所懸命やってきた。そして、No.1になったし、グランドスラムのタイトルも取った。

 

次のコーチをことを聞かれると

"It's not really ideal to go to Indian Wells without a coach."

コーチなして、インディアンウェルズに臨むのは確かに理想的ではないわ。

 

"[The most important thing for me is] just to have a positive mindset. I don't want someone that's in the box saying negative stuff. That would be the worst."

(次のコーチは)何事に対してもポジティブな考えを持つことができる人がいい。これは、私には最も重要なこと。私のプレーヤーズボックスに座っている人が、なにかネガティブなことを言ってるなんて、最悪だから。

 

"Yeah, someone that's kind of direct, not afraid to say things to my face.”

そうね、(次のコーチは)もっとハッキリと直接コミュニケーションを取ってくれる人がいい。思っていることを、私に向かって、恐れないで、きちんと言える人がいいと思う。

 

 “I'd rather someone say it directly to me than go around my back. That's one of the biggest things.”

陰でこそこそ悪口を言わないで、何かあるなら私にハッキリ言ってくれる人がいい。それが、最も重要なことの一つよ。

 

円満な離婚がないように、親密な関係にある選手とコーチの間にも円満な別れなどないのかもしれません。何が起こったのか、本当のことは、本人達にしかわからないでしょう。いや、彼ら当人でも、それぞれの立場によって見方は変わってくるし、決別の理由を正確に論理的に示すことは難しいかもしれません。ただ、分かっていることは、この関係はもう終わってしまったということ。次に向かって動き出さなければいけないということ。

この別れにどう対応するか。大坂なおみがチャンピオンとしての資質を問われる時です。