オール・アバウト・テニス

主に海外(特にアメリカ)で取り上げられているテニスに関する興味深いニュースをピックアップしてお届けします。

パリでの挑戦。大坂なおみ。

 

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rolandgarros.com

 

今日(5月22日)、大坂なおみ選手の記事が、全仏オープンのオフィシャルウェブサイトに、掲載せれていました。今回は、その記事を紹介します。

 

www.rolandgarros.com

 

 

大坂は、サンシャインをパリにもたらした

太陽のように陽気な大坂なおみは、水曜日にパリで初練習をした。

 

曇りがかった、どんよりとした天気が数日間続いていたパリで、太陽がついに顔を出した水曜日の朝。世界ランク1位の大坂なおみが、ジャン=ブーアンの練習用コートでパリでの初練習を行った。

 

ここまでのクレーコートシーズンで大坂なおみは、先週のローマでの準決勝での親指の怪我、シュトゥットガルトの準決勝での腹部の痛み、という2度の怪我に見舞われ、棄権を余儀なくされてきた。今日の初練習は、次週の全仏オープン開幕に先駆けて、この日本のスターが現在どのような状態であるかを見るために集まった、多くのリポーターやテレビのクルーの前で行われた。

 

ジャーメン・ジェンキンスコーチ、日本テニス協会の吉川真司コーチと打ちながらの90分のセッションでは、大阪は、終始、陽気であった。ローマで起こった親指の怪我の影響はまったく見られず、21歳の大坂は、チームのみんなと冗談を言いながら、ドロップショットや、ドライブショットを練習したり、ジェンキンスとポイントプレイで競い合ったり、フィットネストレーナーの Abdul Sillahと、フットワークドリルもこなした。

 

ジェンキンスが、彼女が打ったドロップショットのウィナーをわざと少なくカウントしていると、「ちゃんと数えてよ。もう10回ぐらい打ったわよ。」と、彼女は笑いながら彼に言った。

 

クレーに慣れてきた

コートの右サイドから左サイドまで、スムーズにスライドしている大坂なおみを見ていると、彼女が、クレーコードにどんどん慣れてきているのが分かる。それは、彼女の今季のクレーコートシーズンの結果が他のシーズンと比べて、突出していることからも証明できる。(2019年のクレーでの戦績は7勝1敗)

 

全豪オープンで、2度連続のグランドスラムタイトルを取った後、大阪は、クレーやグラスコートハードコートと同様な成功を収めるには、メンタリティーを変えなければいけないと語った。

 

そして、今季のレッドクレーで、彼女が、精神的にも、技術的にも、上手く調整してきたところを見ると、まさにその言葉を実行しているようである。過去に達成したことにフォーカスするよりも、常に未来を見ようとする、彼女のそんな姿勢が、彼女の素晴らしいところだ。それが、彼女にこのような急速な成長をもたらした原動力であり、今後の長期にわたる、彼女の成功の源ともなるだろう。

 

「過去を振り返るより、前を見ることが好き。もっと勝ちたいの。」と、彼女は今月の始めに開催さえたマドリッド・オープンでリポーター達に言った。「もちろん、私が過去に達成したことは、素晴らしいことだと思うけれど、そのせいで、一生懸命頑張らないようになったらダメだから。」

 

すべての事がうまくいっている

日本とハイチのハーフは、来週ローランギャロスに足を踏み入れた時、グランドスラム連続14勝中の記録の更新がかかっている。彼女が望んていたように、今回のグランドスラムでは、(グランドスラムで)初のNO1シードとして、そして今後もNO1シードで戦うことができるように、今大会に挑む。

 

「もちろん、NO1ランキングを維持したいと思っているわ。」と全米オープン全豪オープンディフェンディングチャンピオンは言った。

 

「キャリア・グランドスラムを達成したいし、カレンダー・イヤー・グランドスラムだったらもっといいわ。それは、もちろん、私のゴールよ。」

 

「だけど、あまり自分にプレッシャーをかけるようなことはしたくないの。私は、楽しんでプレーが出来ているときに、自分のベストのプレーが出来ると思っているわ。だから、グランドスラムでは、良い結果を出しているの。だって、グランドスラムでプレーするのは、とても楽しいから。」

 

怪我に阻まれ、クレーコードで優勝することはできなかったが、大坂は、今季ここまで、クレーでは1敗しかしていないという自信も持ち、ローランギャロスに挑戦する。

 

素晴らしい適応力

クレーコートへの意識の変化について大坂は、「スライドやクレーコードでの動きに慣れてきたからだと思う。」と語った。

 

「昨年は、私が好きなのはハードコートだと自分で思っていて、クレーコートを積極的に受け入れようとはしなかった。避けて通れないのはわかっていたけど。でも、今年はいままでより集中してトレーニングして、上手く動けるようになるために努力した。ゴールが明確にあって、なんのためにプレーしているかが分かっているから、そのために、どんなことでもしようとしたの。」

 

「動きについては、全体的に少し向上したと思う。今は、ボールを打った後にスライドするのではなくて、スライドしながらフォアハンドを打つことができる。それが、今季に、学んだことの一つよ。」

 

1月の 全豪オープンで勝ったとき、大坂は、グランドスラム初優勝をした後、すぐ次のグランドスラムでも連続優勝を飾るという、2001年のジェニファー・カプリアティ以来の快挙を成し遂げた。

 

そして、グランドスラムで3回連続優勝という、とても特別なことをパリで達成できるかもしれないのだ。

 

大坂は、ウィットに富んでいて、思慮深く、ちょっと人と変わった考え方をする。マディソン・キーズは、「気分を一新してくれるような新鮮な人」と大坂のことを呼んだ。彼女の最も印象的なところは、彼女が、なにごとに対しても、強い目的意識をもって対応するところだ。

 

「私の夢は、大きくなるばかり。未来をいつも見つめている。」と彼女は、スポンサーのコマーシャルなかで言っていた。

 

「全てのことは、つながっていて、偶然なんてことはないと思ってるの。人生全てのことが【あの瞬間】につながっている、たとえどんな小さな出来事でも。」

 

彼女にとって、特別な【あの瞬間】が再び訪れる日は、近いかもしれない。